16:45 〜 17:00
[SCG57-33] 本州の背弧内リフトの形成と短縮変形
キーワード:中絶リフト, 背弧海盆, 日本海, 地殻構造, 短縮変形, 断層関連褶曲
日本海の拡大は、複数の軸をもつ様式で進行した。この背弧域でのリィフティングについては、これまで地質構造や重力異常などから議論されることが多かったが、近年、深部反射法地震探査の実施や、地震波トモグラフィなどによって認識できるようになってきた。ここでは、とくに東北日本から中部日本にかけての地域を対象として、新しい地球物理学的データを基に、日本海拡大期に形成された背弧域のリフトの形成と、その後の短縮変形の特徴について述べる。
新潟平野から佐渡島の間には厚さ7kmに達する厚いリフト期以降の堆積物が分布し、ボーリング調査などで日本海拡大期に噴出した広域玄武岩の分布が知られている。自然地震トモグラフィからは下部地殻への苦鉄質岩の併入に起因するP波速度の高速度化が認められる。こうした地域では、玄武岩併入域と大陸地殻の境界部にリフト軸に平行なリフト軸の外側に傾斜する逆断層が形成されている。越後山脈西縁の月岡断層は、大規模なウェッジスラストを構成することが、反射断面や速度構造から明瞭になっている。秋田堆積盆地の西縁を限る飛島-船川断層は、西傾斜の逆断層である。すなわち、盆地両縁の盆地外側に傾斜した逆断層が大規模なウェッジスラストを形成しつつ短縮変形が進行し、盆地内堆積物の褶曲が形成される。北部フォッサマグナは最も短縮変形が進行した地域で、とくに大規模なウェッジスラストを構成する長野盆地西縁断層により、リフト盆地充填堆積物が強く褶曲した。盆地充填堆積物が強い短縮変形を被って保存されていることは、基本的にはリフト縁の断層がリフト外側に傾斜した逆断層をなすからである。類似した構造は富山トラフにも見られる。富山や新潟堆積盆地では、北東-南西方向にリフト軸を有する堆積盆地が形成され、その南西端はこれと直交する横断方向の断層によって境される。こうした形状は基本的には、北部フォッサにおいても同様であり、基本的に糸魚川-静岡構造線から関東構造線にいたる断層群は、リフトを横断する断層としての性格を有している。
下部地殻の高速度領域は、関東北部から東北南部でも新第三系の堆積物が厚い堆積盆地下で見られる。鬼怒川低地帯や関東北西部の平野下でも重力や反射などから厚い堆積物の分布が確認されているが、この領域の下部地殻で地震波速度の高速度化が見られる。これらの過去のリフト境界に形成された活断層の姿勢は、リフト軸の外側に傾斜しており、日本海沿岸の中絶リフトと共通した性質を示す。
新潟平野から佐渡島の間には厚さ7kmに達する厚いリフト期以降の堆積物が分布し、ボーリング調査などで日本海拡大期に噴出した広域玄武岩の分布が知られている。自然地震トモグラフィからは下部地殻への苦鉄質岩の併入に起因するP波速度の高速度化が認められる。こうした地域では、玄武岩併入域と大陸地殻の境界部にリフト軸に平行なリフト軸の外側に傾斜する逆断層が形成されている。越後山脈西縁の月岡断層は、大規模なウェッジスラストを構成することが、反射断面や速度構造から明瞭になっている。秋田堆積盆地の西縁を限る飛島-船川断層は、西傾斜の逆断層である。すなわち、盆地両縁の盆地外側に傾斜した逆断層が大規模なウェッジスラストを形成しつつ短縮変形が進行し、盆地内堆積物の褶曲が形成される。北部フォッサマグナは最も短縮変形が進行した地域で、とくに大規模なウェッジスラストを構成する長野盆地西縁断層により、リフト盆地充填堆積物が強く褶曲した。盆地充填堆積物が強い短縮変形を被って保存されていることは、基本的にはリフト縁の断層がリフト外側に傾斜した逆断層をなすからである。類似した構造は富山トラフにも見られる。富山や新潟堆積盆地では、北東-南西方向にリフト軸を有する堆積盆地が形成され、その南西端はこれと直交する横断方向の断層によって境される。こうした形状は基本的には、北部フォッサにおいても同様であり、基本的に糸魚川-静岡構造線から関東構造線にいたる断層群は、リフトを横断する断層としての性格を有している。
下部地殻の高速度領域は、関東北部から東北南部でも新第三系の堆積物が厚い堆積盆地下で見られる。鬼怒川低地帯や関東北西部の平野下でも重力や反射などから厚い堆積物の分布が確認されているが、この領域の下部地殻で地震波速度の高速度化が見られる。これらの過去のリフト境界に形成された活断層の姿勢は、リフト軸の外側に傾斜しており、日本海沿岸の中絶リフトと共通した性質を示す。