日本地球惑星科学連合2015年大会

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口頭発表

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[U-06] 宇宙・太陽から地球表層までのシームレスな科学の新展開

2015年5月24日(日) 11:00 〜 12:45 105 (1F)

コンビーナ:*松見 豊(名古屋大学太陽地球環境研究所)、草野 完也(名古屋大学太陽地球環境研究所)、石坂 丞二(名古屋大学地球水循環研究センター)、坪木 和久(名古屋大学・地球水循環研究センター)、榎並 正樹(名古屋大学 年代測定総合研究センター)、座長:水野 亮(名古屋大学太陽地球環境研究所)、塩川 和夫(名古屋大学太陽地球環境研究所)

11:20 〜 11:40

[U06-08] 古環境研究の現状と展望 太陽から地球表層まで

*井龍 康文1 (1.東北大学大学院理学研究科地学専攻)

キーワード:古環境, 堆積物, 生物骨格, 生物殻

近年の分析技術の向上により,生物骨格・殻や堆積物から過去の地球環境を復元する研究は大きく進展した.その結果,復元されるデータは水温,塩分,pHといった生息場や堆積場のローカルな情報に留まらず,モンスーン,エルニーニョ/南方振動やインド洋ダイポール,太平洋十数年変動の頻度および強度といったグローバルなイベント,さらには太陽活動という地球外の現象にまで及ぶようになった.また,化石燃料の消費による大気二酸化炭素の炭素同位体組成の変化や大気圏内核実験による放射性元素の生成・拡散といった人類活動による環境改変もトレース可能である.このように,生物骨格・殻や堆積物から過去の地球環境を復元する研究は,「シームレス科学」の典型例である.講演では,この分野の到達点を総括し,今後を展望する.