12:09 〜 12:12
[HDS25-P05] 深層崩壊発生斜面における崩壊面の発達と小崖地形の関係
ポスター講演3分口頭発表枠
キーワード:深層崩壊, 崩壊面, 小断層, 重力性斜面変形, 小崖地形, 航空レーザー測量
深層崩壊の発生箇所を事前に予測するには,崩壊発生前に地表面に現れる小崖等の微小な地形を把握することが有効と考えられる。また,近年,航空レーザー測量(LiDAR)データの取得により高精度な地形情報を得ることが可能となってきた。しかし,山地の比高が大きく,かつ異方性の強い付加体堆積岩類が分布する地域では,大規模な重力性変形が進行し,二重山稜や小崖などの特徴的な地形が広域に渡って発達する場合が多いことから,変状地形の把握だけでは深層崩壊発生箇所を特定することは困難である。また,深層崩壊の発生箇所だけでなく,規模や発生時期等を予測するには,内部地質構造と表面地形の関係を明らかにした上で,地形的特徴を何らかの基準で差別化する必要がある。本研究では,平成23年の豪雨により紀伊山地で発生した深層崩壊斜面(赤谷)を対象として,地形地質的特徴を明らかにするとともに,崩壊面と小崖地形との関係について検討した。
岩盤内部では,主に頁岩内に発達する小断層の脆性破砕帯でクリープ性の単純せん断が進行し,崩壊面となる弱層が形成されたものと考えられる(図参照)。また,崩壊前の地表には高さ数メートルの小崖が形成されており,崩壊の頭部とほぼ一致していた。これらのことから,岩盤内で断続的だった小断層でのせん断が発生し徐々に連結することで地表に露出したと考えられる。また,スラスト面や高角の断層面など,比較的大きな面構造は,頭部や側部の規制面になったものと推定される。赤谷に隣接する河原樋,長殿の深層崩壊斜面においても赤谷と類似する点が多く,同様の地形地質構造を有していると考えられる。
岩盤内部では,主に頁岩内に発達する小断層の脆性破砕帯でクリープ性の単純せん断が進行し,崩壊面となる弱層が形成されたものと考えられる(図参照)。また,崩壊前の地表には高さ数メートルの小崖が形成されており,崩壊の頭部とほぼ一致していた。これらのことから,岩盤内で断続的だった小断層でのせん断が発生し徐々に連結することで地表に露出したと考えられる。また,スラスト面や高角の断層面など,比較的大きな面構造は,頭部や側部の規制面になったものと推定される。赤谷に隣接する河原樋,長殿の深層崩壊斜面においても赤谷と類似する点が多く,同様の地形地質構造を有していると考えられる。