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[SSS32-02] 2011年3月15日静岡県東部地震(M6.4)の誘発過程に関する研究
キーワード:2011年静岡県東部地震, 東北地方太平洋沖地震, 静的応力変化, 動的応力変化, 誘発作用
2011年3月11日東北地方太平洋沖地震(Mw9.0)の4日後、富士山付近の深度約14 kmで発生したMJMA6.4の地震(以下、静岡県東部地震と呼ぶ)の誘発過程を探る。まず、半無限弾性体を仮定して東北地方太平洋沖地震による静岡県東部地震のメカニズムに対するクーロン破壊応力変化を計算したところ、静岡県東部地震の震源域での値は約25 kPaであった。正の値を示していることから、東北地方太平洋沖地震の静的な応力変化の影響を受けたと考えられる。しかし、静岡県東部地震は、東北地方太平洋沖地震による他のM6以上の余震と比べ本震の破壊領域から離れている。そこで、東北地方太平洋沖地震の静的応力変化以外の誘発要因がないか探るため、本震からの経過時間で余震の発生率を評価できる大森・宇津公式を用いて、余震の発生間隔を確率的に評価した。東北地方太平洋沖地震が発生してから1000日間の気象庁一元化震源カタログに載っている東日本で発生したMJMA6.2以上の地震82個を用いた。静岡県東部地震とその約230秒前に発生した福島県沖の地震(MJMA6.2)に対して、この発生間隔より短い時間でMJMA6.2以上の地震が発生する確率を求めた結果、0.37%と低い値であった。また、静岡県東部地震の震源に最も近いF-netの観測点FUJの地震波形を確認したところ、福島県沖の地震の表面波通過中に静岡県東部地震が発生していたことがわかった。これらにより、静岡県東部地震は福島県沖の地震の表面波通過に伴う動的な影響も受けていたことが推測される。