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[SSS24-06] 早期地震警報のための単独観測点処理の改良
キーワード:早期地震警報, P波, 単独観測点処理
鉄道では、地震時に即座に列車の運転制御を行うために単独観測点処理による早期地震警報を用いている。単独観測点処理として、規定値超過によるS波警報、P波初動を解析することによるP波警報が実装されている。ここでは、このうちP波警報を高度化するために、近年開発された新しいアルゴリズムを用いて改良した処理手法について提案する。
主要な改良点は、1)P波検知、2)震央距離推定、3)震央方位推定、4)マグニチュード推定、5)ノイズ識別である。P波検知を改良するために、STA/LTA法で用いるパラメータを変更し、緩やかな立ち上がりを示す地震波への対応を可能とした。また、レベルトリガをシステムへの導入することにより、確実なトリガを目指した。次により精度良く、速く震央位置を推定するために、C-Δ法(山本他、2012)、可変ウィンドウ法(Noda et al., 2012)の導入を行った。この結果、推定精度はそれぞれ12%、28%向上した。同時にC-Δの関係式の見直しを行い、さらなる精度向上を図った。さらにマグニチュード推定の性能を向上させるために、観測された加速度から求められる加速度マグニチュードをシステムに導入した。統計的に加速度振幅のピークは変位振幅のピークに比べ速く出現するケースが多いことが確認されており、加速度マグニチュードと変位マグニチュードを併用することによりマグニチュード推定に関して即時性と信頼性の向上が期待される。ノイズ識別に関しては、周波数情報を扱うことにより性能の向上を図った(岩田他、2014)。
以上のアルゴリズムを導入することにより、P波警報の総合的な性能向上が期待できる。性能確認のために、プロトタイプ地震計による現地試験を実施中である。
主要な改良点は、1)P波検知、2)震央距離推定、3)震央方位推定、4)マグニチュード推定、5)ノイズ識別である。P波検知を改良するために、STA/LTA法で用いるパラメータを変更し、緩やかな立ち上がりを示す地震波への対応を可能とした。また、レベルトリガをシステムへの導入することにより、確実なトリガを目指した。次により精度良く、速く震央位置を推定するために、C-Δ法(山本他、2012)、可変ウィンドウ法(Noda et al., 2012)の導入を行った。この結果、推定精度はそれぞれ12%、28%向上した。同時にC-Δの関係式の見直しを行い、さらなる精度向上を図った。さらにマグニチュード推定の性能を向上させるために、観測された加速度から求められる加速度マグニチュードをシステムに導入した。統計的に加速度振幅のピークは変位振幅のピークに比べ速く出現するケースが多いことが確認されており、加速度マグニチュードと変位マグニチュードを併用することによりマグニチュード推定に関して即時性と信頼性の向上が期待される。ノイズ識別に関しては、周波数情報を扱うことにより性能の向上を図った(岩田他、2014)。
以上のアルゴリズムを導入することにより、P波警報の総合的な性能向上が期待できる。性能確認のために、プロトタイプ地震計による現地試験を実施中である。