日本地球惑星科学連合2015年大会

講演情報

口頭発表

セッション記号 A (大気水圏科学) » A-CC 雪氷学・寒冷環境

[A-CC29] アイスコアと古環境変動

2015年5月26日(火) 14:15 〜 16:00 301A (3F)

コンビーナ:*川村 賢二(情報・システム研究機構 国立極地研究所)、池原 実(高知大学海洋コア総合研究センター)、竹内 望(千葉大学)、阿部 彩子(東京大学大気海洋研究所)、座長:川村 賢二(情報・システム研究機構 国立極地研究所)、阿部 彩子(東京大学大気海洋研究所)

15:45 〜 16:00

[ACC29-07] 南極氷床での中層掘削計画と深層孔検層結果について

*本山 秀明1古崎 睦2的場 澄人3杉山 慎3高橋 昭好4田中 洋一5宮原 盛厚6高田 守昌7澤柿 教伸8新堀 邦夫3森 章一3 (1.国立極地研究所、2.旭川工業高等専門学校、3.北海道大学低温科学研究所、4.(株)地球工学研究所、5.(株)ジオシステムズ、6.(株)アノウィ、7.長岡技術科学大学、8.北海道大学大学院地球環境科学研究院)

キーワード:アイスコア, 南極氷床, 中層コア掘削, 検層観測, 熱流量

第57次南極地域観測隊は2015/2016シーズンに南極氷床氷縁部にて300―500m級の中層掘削を計画している。環境保全や物資量、掘削可能時間の問題で、ドライ掘削する予定である。そのためコア質の悪化と孔の縮みによる掘削への影響がある。この掘削孔変化について議論し、孔の縮みに対してはリーミングで対応するが、その検討が必要である。この中層掘削計画について紹介する。
南極ドームふじ基地にて実施していた深層掘削は、2007年1月にほぼ岩盤付近の深さである3035.22mmで終了した。掘削孔の変形を防ぐために液封液として酢酸ブチルを使用し、液面は氷床表面から約120m下にある。2007年1月、2011年1月、2013年1月にそれぞれ孔底まで検層観測を実施した。測定項目は、液温、氷温、液圧、孔径、傾斜である。2013年の検層観測を中心に、過去3回の測定結果とその問題点を報告し、今後の改良ポイントについて紹介する。特に孔径変化、傾斜変化、氷床内の熱流量について解析結果を報告する。例えば、氷温度測定は困難で、液温測定を氷床温度と仮定する。氷床温度分布から温度勾配を推定し氷床内の熱流量分布を求めた。氷床底面は融解しているので未知な地殻熱流量の下限を見積もることが出来た。