17:00 〜 17:15
[MIS24-04] 日本海上越沖・最上トラフ海域における掘削同時検層(LWD)による2014表層型メタンガスハイドレート探査結果
日本海東縁域に発達する表層型メタンハイドレートの深度方向への発達状況を明らかにし、地質試料採取を計画するために、掘削作業船Greatship Ragini、掘削装置Geoquip Marine GMTR120を使用して、2014年6月20日から7月17日(28日間)に上越沖・最上トラフ海域において、本海域におけるメタンハイドレート探査として初めて合計11地点の掘削時同時検層(LWD)調査を実施した(GR14航海)。使用・実施した検層ツール・種目は、Schlumberger社のgeoVISION(比抵抗イメージ、自然ガンマ線)、TeleScope(計測・伝送)、sonicVISION(音波)、proVISION(CMR)である。
本海域では、高分解能音波探査断面上での音響ブランキングや海底表層での試料採取等により、表層型メタンハイドレートの発達が推定されるガスチムニー構造を海底下50-120m程度の深度に存在するハイドレート安定領域下底面(BGHSZ)以深まで探査するために、各掘削地点での計画掘削深度は150mとして実施した。9地点で計画通り150mまで、1地点ではガス湧出のため100mまで、1地点では地層が硬く掘進が困難であったため80mまで掘削を実施し、全体として高品質の掘削同時検層データを取得した。ただし海底下10-20mまでは坑径拡大のため品質が低下することがあった。
10地点で実施されたガスチムニー構造におけるLWD探査においては、海底からBGHSZの間に高比抵抗・高音波速度・低ガンマ線強度・低CMR孔隙率の異常で示されるメタンハイドレートが濃集していると推定される区間が発達している。ガスチムニー構造内及び近接した構造外地点との探査結果の比較によれば、ガスチムニー構造内部のみに発達する海底直下数十mの表層型ハイドレート濃集区間と、構造の内外ともに発達するBGHSZ上位のハイドレート濃集区間が存在することが判明した。表層型ハイドレートが特に発達している場合には海底からBGHSZまで濃集区間がほぼ連続していることがある。多くの異常区間は、音波検層での高音速の鋭いピークと比抵抗検層での高比抵抗の幅の広いピークによって示される。
本研究は「平成26年度経産省メタンハイドレート開発促進事業」の一環として実施したものである。
本海域では、高分解能音波探査断面上での音響ブランキングや海底表層での試料採取等により、表層型メタンハイドレートの発達が推定されるガスチムニー構造を海底下50-120m程度の深度に存在するハイドレート安定領域下底面(BGHSZ)以深まで探査するために、各掘削地点での計画掘削深度は150mとして実施した。9地点で計画通り150mまで、1地点ではガス湧出のため100mまで、1地点では地層が硬く掘進が困難であったため80mまで掘削を実施し、全体として高品質の掘削同時検層データを取得した。ただし海底下10-20mまでは坑径拡大のため品質が低下することがあった。
10地点で実施されたガスチムニー構造におけるLWD探査においては、海底からBGHSZの間に高比抵抗・高音波速度・低ガンマ線強度・低CMR孔隙率の異常で示されるメタンハイドレートが濃集していると推定される区間が発達している。ガスチムニー構造内及び近接した構造外地点との探査結果の比較によれば、ガスチムニー構造内部のみに発達する海底直下数十mの表層型ハイドレート濃集区間と、構造の内外ともに発達するBGHSZ上位のハイドレート濃集区間が存在することが判明した。表層型ハイドレートが特に発達している場合には海底からBGHSZまで濃集区間がほぼ連続していることがある。多くの異常区間は、音波検層での高音速の鋭いピークと比抵抗検層での高比抵抗の幅の広いピークによって示される。
本研究は「平成26年度経産省メタンハイドレート開発促進事業」の一環として実施したものである。