[S-SS25] 強震動・地震災害

[SSS25-P15] 地震波干渉法を用いた立川断層帯周辺におけるレイリー波群速度の評価

*石毛 宏和¹、地元 孝輔¹、佐口 浩一郎¹、山中 浩明¹、酒井 慎一²、蔵下 英司²、平田 直² (1.東京工業大学大学院総合理工学研究科、2.東京大学地震研究所)

キーワード：立川断層帯, 地震波干渉法, レイリー波, 表面波群速度

近年注目を集めている地盤探査手法の一つに地震波干渉法がある。本研究ではこの手法を用いて立川断層帯周辺の表面波群速度の推定と評価を行った。解析はまず各観測点間において相互相関関数に基づくグリーン関数を推定し、表面波群速度の分散曲線を求めた。次に、地元・山中(2013)によって提案された地震波干渉法の適用範囲を用いて抽出したデータをもとに、表面波のスローネストモグラフィ解析を行った。解析されたトモグラフィマップから、立川断層帯の南西側では長周期の表面波ほど群速度の大きい範囲を南側に広げ、北東側とは明らかに構造が異なることが分かった。最後に、解析結果と地震調査研究推進本部の「長周期地震動予測地図」による既往の地下構造モデルを用いて算出した群速度を比較した。その結果、断層の南西側で推定された群速度の大きい領域が、既往のモデルに比べ短周期帯で広く現れており、既往のモデルよりも表層の層厚が小さいことを示唆する結果となった。