15:45 〜 16:00
[SCG62-07] 2013年4月沖縄トラフの群発地震とダイク貫入について
キーワード:群発地震, 正断層, 沖縄トラフ, 背弧海盆拡大, ダイク貫入, 琉球海溝
2013年4月17日与那国島北北西50kmの沖縄トラフ内で、最大Mw5.2の群発地震が発生し、ほぼ1週間で活動は収束した。この地域では、2002年の群発地震以来の地震活動であった。活動期間中、Mw4.5を超える地震は28回起きた。メカニズム解はすべて東西走向の正断層地震であり(F-NETによる)、地震モーメントの総和はMw5.7であった。
地震活動と同時に、与那国島や周辺の島のGPSが急激な変動を示した。KGPS解析の結果、4月17?18日の2日間にわたり周辺の島がゆっくり変動したことが分かった。観測された水平変動は、与那国島で南南東に4.7cm、西表島で西に1cm、石垣島ではmmオーダーであった。台湾東部の観測点では有意な地殻変動は検出されなかった。これらのGPSデータを総合すると、群発地震域にMw7.0相当の正断層地震またはマグマ貫入が生じたと推定された。ただし、地殻変動データだけでは、二つのモデルの優劣はつけられない。
この群発地震発生前、与那国島の水平方向の経年変化(2006?2013.3)は南南東方向に6.5 cm/yrであったが、群発地震後は8.4 cm/yrに増え、2014年には9.5 cm/yrになっている。このような長期にわたる地殻変動は、浅い正断層上のslow slipより、マグマ貫入モデルの方が説明しやすい。2013年の群発地震は、沖縄トラフ中の急激なマグマ貫入により引き起こされたもので、その後も通常より活発にマグマ貫入は継続していると推測される。
ただし、この種のマグマ貫入が、琉球弧を南に押し出す(琉球弧の南進)原因とは考えにくい。なぜならば、西表島と波照間島は琉球弧に対しほぼ垂直に並ぶが、両島間のGPS基線長は1mm/yの速度で定常的に伸びている。琉球弧は、海溝に垂直方向に引き伸ばされていると言える。つまり、琉球弧が南進するのは、琉球海溝が後退するためで、マグマ貫入はその結果により引き起こされている。2013年の急激なマグマ貫入は、1997年GPS観測開始以降初めて起きたもので、この種の現象は稀に起こるものであろう。通常は、琉球弧の南進に伴い、マグマは受動的に沖縄トラフに貫入すると考えられる。
地震活動と同時に、与那国島や周辺の島のGPSが急激な変動を示した。KGPS解析の結果、4月17?18日の2日間にわたり周辺の島がゆっくり変動したことが分かった。観測された水平変動は、与那国島で南南東に4.7cm、西表島で西に1cm、石垣島ではmmオーダーであった。台湾東部の観測点では有意な地殻変動は検出されなかった。これらのGPSデータを総合すると、群発地震域にMw7.0相当の正断層地震またはマグマ貫入が生じたと推定された。ただし、地殻変動データだけでは、二つのモデルの優劣はつけられない。
この群発地震発生前、与那国島の水平方向の経年変化(2006?2013.3)は南南東方向に6.5 cm/yrであったが、群発地震後は8.4 cm/yrに増え、2014年には9.5 cm/yrになっている。このような長期にわたる地殻変動は、浅い正断層上のslow slipより、マグマ貫入モデルの方が説明しやすい。2013年の群発地震は、沖縄トラフ中の急激なマグマ貫入により引き起こされたもので、その後も通常より活発にマグマ貫入は継続していると推測される。
ただし、この種のマグマ貫入が、琉球弧を南に押し出す(琉球弧の南進)原因とは考えにくい。なぜならば、西表島と波照間島は琉球弧に対しほぼ垂直に並ぶが、両島間のGPS基線長は1mm/yの速度で定常的に伸びている。琉球弧は、海溝に垂直方向に引き伸ばされていると言える。つまり、琉球弧が南進するのは、琉球海溝が後退するためで、マグマ貫入はその結果により引き起こされている。2013年の急激なマグマ貫入は、1997年GPS観測開始以降初めて起きたもので、この種の現象は稀に起こるものであろう。通常は、琉球弧の南進に伴い、マグマは受動的に沖縄トラフに貫入すると考えられる。