日本地球惑星科学連合2015年大会

講演情報

口頭発表

セッション記号 B (地球生命科学) » B-PT 古生物学・古生態学

[B-PT23] 地球史解読:冥王代から現代まで

2015年5月25日(月) 16:15 〜 18:00 104 (1F)

コンビーナ:*小宮 剛(東京大学大学院総合文化研究科広域科学専攻)、加藤 泰浩(東京大学大学院工学系研究科システム創成学専攻)、鈴木 勝彦(独立行政法人海洋研究開発機構・地球内部ダイナミクス領域)、座長:藤永 公一郎(東京大学大学院工学系研究科エネルギー・資源フロンティアセンター)、高谷 雄太郎(海洋研究開発機構海底資源研究開発センター)

17:15 〜 17:30

[BPT23-25] 南鳥島周辺の排他的経済水域 (EEZ) 内におけるレアアース泥の資源ポテンシャル

*大矢 和孝1安川 和孝1大田 隼一郎1藤永 公一郎2高谷 雄太郎3中村 謙太郎1飯島 耕一3加藤 泰浩2 (1.東大・工・システム創成、2.東大・工・エネルギー・資源フロンティアセンター、3.(独) 海洋研究開発機構)

キーワード:南鳥島EEZ, レアアース泥, 海底鉱物資源, 資源ポテンシャル

南東太平洋および中央北太平洋の深海底に広く分布する「レアアース泥」は,様々なハイテク産業に不可欠なレアアースを豊富に含み,新たな海底鉱物資源として有望視されている (Kato et al., 2011).さらに,過去の国際深海掘削計画 (Deep Sea Drilling Project/Ocean Drilling Program) によって南鳥島周辺の排他的経済水域 (Exclusive Economic Zone, EEZ) 内から掘削されたコアにおいても,レアアース泥の存在が確認された (加藤ほか, 2012).EEZ内に存在する海底資源は日本が独自に開発可能なため,この発見は日本の資源戦略にとって非常に重要な意味を持つ.
こうした経緯をふまえて実施された南鳥島EEZ内における計4回の調査航海 (KR13-02, MR13-E02 Leg 2, KR14-02, MR14-E02) の結果,南鳥島の南方約250 kmの海域において,総レアアース濃度が5,000 ppm を超える「超高濃度レアアース泥」の存在が明らかとなった (Kato et al., 2013; Fujinaga et al., 2013; Suzuki et al., 2013).この超高濃度レアアース泥は海底面下 10 m 以浅に分布しており,開発に際して非常に有利と考えられる.本研究では,上記の海域を現在最も有望なレアアース泥開発対象海域とみなし,そのレアアース資源ポテンシャルについて報告する.