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[AAS21-P21] 北半球中高緯度の中部対流圏から成層圏のCH4, H2O, N2O, 気温高度分布 -GOSAT熱赤外センサ, ACE-FTS, 航空機観測の比較-
キーワード:メタン, 対流圏, 成層圏, GOSAT, 航空機
1990年代後半より地球大気からの熱赤外放射を人工衛星搭載センサから天底測定することで大気中メタン(CH4)等の高度分布の導出が行われている。2009年以降、GOSAT/TANSO-FTSの熱赤外バンド(TIR)からCO2やCH4などの自由対流圏から成層圏にかけての高度分布の導出が実施されている。この研究ではTIRによる中部対流圏から成層圏にかけてのCH4およびCH4と同時推定されるH2O, N2O, 気温の高度分布導出結果を定量的に把握し、西シベリア等でのCH4の挙動の理解向上に寄与する。比較のためにリム観測センサACE-FTSからのCH4, H2O, N2, 気温の高度分布を解析した。北緯45度以北の掩蔽測定に焦点をあて、時空間一致基準として12時間と300kmを仮定した。2010年から2011年の2年分のTIRデータに対して1,700のACE-FTSプロファイルが抽出された。比較結果からは、(1)1月から4月の400-200hPaレベルでTIRのCH4が系統的にACE-FTSよりも高い、特に1月の300hPaレベルではいくつかのTIRが2.0 ppmvを超えている、(2)H2Oは300-250hPaレベルより上の高度でTIRがACE-FTSよりも全期間を通して高い、ことが分かった。これらの差異については双方のリトリーバルに起因する事項や気象状況の観点から慎重に検討する。またCH4については西シベリアでの月1回の航空機観測からの高度7km(430hPa)と5.5km(500hPa)のメタンとも比較を行った。時系列変化の観点ではTIRの変動幅の範囲内でお互いに良い一致を示した。