15:45 〜 16:00
[PPS21-20] 集積中の巨大ガス惑星からの短波長放射について
キーワード:惑星形成, 木星型惑星, 系外惑星, 直接検出
形成初期の恒星は原始惑星系円盤と呼ばれる円盤を伴っており、惑星はこの原始惑星系円盤の中で形成されると考えられている。実際、原始惑星系円盤を伴った若い恒星はすでにいくつか発見されている。また、アルマ望遠鏡による観測では円盤中に空隙が見つかっており、形成中の惑星と円盤ガスの相互作用によって形成された可能性が示唆されている。円盤内で形成中の惑星を直接観測することは、形成論の観点からも重要である。本研究では、形成中の巨大ガス惑星の直接観測が可能であるかを検討する。
巨大ガス惑星形成に関するコア集積モデルでは、臨界質量を超えた固体コアが周囲のガスを暴走的に獲得することで巨大ガス惑星が形成される。このガス獲得過程で惑星は広範囲のガスを集積するため、惑星に対して角運動量を持ったガスは周惑星円盤を形成する。この周惑星円盤は原始惑星系円盤の赤道面に存在し、ヒル半径程度の大きさを持つ。Tanigawa et al. (2012) の数値計算によると、原始惑星系円盤のガスが周惑星系円盤に取り込まれる際、赤道面から二次元的に流入するのではなく、上空から円盤に落下するように流入する。このとき、ガスはほぼ自由落下速度で周惑星円盤に衝突し、周惑星系円盤の惑星近傍での温度は衝撃波加熱により最大数万ケルビンに達する。
したがって、このような高温ガスの放射光を観測することができれば、原始惑星系円盤内で形成中の巨大ガス惑星の存在を確かめることができる。そこで本研究では、Tanigawa et al. (2012) の結果に基づき、衝撃波加熱からガスの温度を推定し、主要成分である水素の輝線を中心にそのスペクトルを計算する。例えば、林モデル円盤内の5.2AUを回る130地球質量の惑星からの水素の輝線光度は1021 W程度と見積もられた。この光度は、円盤ガスの数密度に比例するため、円盤ガスが散逸するまで継続する。これに星間物質や原始惑星系円盤ガスの吸収の効果を含めて、形成中の巨大ガス惑星の直接観測の可能性を議論する。
巨大ガス惑星形成に関するコア集積モデルでは、臨界質量を超えた固体コアが周囲のガスを暴走的に獲得することで巨大ガス惑星が形成される。このガス獲得過程で惑星は広範囲のガスを集積するため、惑星に対して角運動量を持ったガスは周惑星円盤を形成する。この周惑星円盤は原始惑星系円盤の赤道面に存在し、ヒル半径程度の大きさを持つ。Tanigawa et al. (2012) の数値計算によると、原始惑星系円盤のガスが周惑星系円盤に取り込まれる際、赤道面から二次元的に流入するのではなく、上空から円盤に落下するように流入する。このとき、ガスはほぼ自由落下速度で周惑星円盤に衝突し、周惑星系円盤の惑星近傍での温度は衝撃波加熱により最大数万ケルビンに達する。
したがって、このような高温ガスの放射光を観測することができれば、原始惑星系円盤内で形成中の巨大ガス惑星の存在を確かめることができる。そこで本研究では、Tanigawa et al. (2012) の結果に基づき、衝撃波加熱からガスの温度を推定し、主要成分である水素の輝線を中心にそのスペクトルを計算する。例えば、林モデル円盤内の5.2AUを回る130地球質量の惑星からの水素の輝線光度は1021 W程度と見積もられた。この光度は、円盤ガスの数密度に比例するため、円盤ガスが散逸するまで継続する。これに星間物質や原始惑星系円盤ガスの吸収の効果を含めて、形成中の巨大ガス惑星の直接観測の可能性を議論する。