[H-CG36] 惑星と閉鎖生態系における生物のシステム―微生物からヒトまで

[HCG36-04] 閉鎖生態系における陸棲ラン藻Nostoc sp.HK-01の食資源としての栄養的有用性の評価

*木村 靖子¹、木村 駿太²、加藤 浩³、新井 真由美⁴、佐藤 誠吾²、富田-横谷 香織² (1.筑波大学、十文字女子大学、2.筑波大学、3.三重大学、4.日本科学未来館)

キーワード：閉鎖生態系, ラン藻, 食資源, Nostoc sp.HK-01, 栄養的有用性

人類が長期間宇宙環境に滞在するために食料の確保は重要な課題である。光合成微生物の陸棲ラン藻Nostoc sp. HK-01は、乾燥や真空、熱や紫外線、重粒子線（He）など各種宇宙環境に対して高い耐性があることが検証され、火星などの閉鎖生態系への導入生物として期待されている。陸棲ラン藻Nostoc sp. HK-01を人が直接摂取することができれば、宇宙環境における食資源として大きく貢献できる。本発表では、陸棲ラン藻Nostoc sp. HK-01の食資源として有用性を検討するため、ラン藻のたんぱく質、糖質などの栄養成分を分析し、栄養的評価を特定した。陸棲ラン藻Nostoc sp. HK-01は、人体の構成成分となるたんぱく質、エネルギー源となる糖質を多く含み、栄養的評価が高いことが示唆された。過酷な環境条件で栽培可能なラン藻類が効率よく食料化できれば、今後予想される地球規模の食糧問題に対して、有効な対策ともなり得る。