[P-EM26] 宇宙プラズマ理論・シミュレーション

[PEM26-P09] 広帯域静電ノイズ低周波成分に関する3次元電磁粒子シミュレーション

*三宅 壮聡¹、永安 翔¹、岡田 雅樹²、大村 善治³、小嶋 浩嗣³ (1.富山県立大学、2.国立極地研究所、3.京都大学生存圏研究所)

キーワード：粒子シミュレーション, BEN低周波成分, Geotail, EFD

地球磁気圏のプラズマシート境界層を始めとする様々な宇宙プラズマ領域中で広帯域
静電ノイズ（BEN）が観測されている．BEN の波形は GEOTAIL 衛星の観測によって，
静電孤立波（ESW）の孤立したパルス状の波形によって構成されていることが確認さ
れた．BEN の高周波成分は ESW として解明されているが，その低周波成分の波動モー
ド，励起メカニズムに関しては未解明である．これまでにビーム不安定性を初期状態と
する 2 次元静電粒子シミュレーションを行った結果，ビーム不安定性と BEN の低周波
成分との明確な関係は確認出来なかった．本研究では BEN の低周波成分の励起メカニ
ズムが電磁波に起因している可能性を考慮して3次元電磁粒子シミュレーションを行い，
そのパラメータ依存性について検討した．
様々なパラメータでシミュレーションを実行した結果，背景イオンが低い場合と高い
場合のどちらの環境も BEN の低周波波動と断定できる磁場に垂直方向の波動は励起し
なかった．さらに衛星観測によって観測された地球周辺領域のデータに基づいてシミュ
レーションを実行した結果，磁場に垂直方向の広帯域な波動が励起し，この波動が BEN
の低周波波動である可能性を確認した．