日本地球惑星科学連合2015年大会

講演情報

口頭発表

セッション記号 G (教育・アウトリーチ) » 教育・アウトリーチ

[G-03] 地球惑星科学のアウトリーチ

2015年5月24日(日) 11:00 〜 12:45 106 (1F)

コンビーナ:*植木 岳雪(千葉科学大学危機管理学部)、小森 次郎(帝京平成大学)、座長:植木 岳雪(千葉科学大学危機管理学部)、千葉 崇(筑波大学生命環境系)

11:00 〜 11:15

[G03-08] オーロラと即興演奏

*中村 匡1矢堀 孝一2飯田 厚二3片岡 龍峰4的場 ひろし5 (1.福井県立大学、2.アプライズ、3.ローランド、4.極地研、5.静岡文化芸術大学)

キーワード:オーロラ, 音楽, 即興演奏

おそらく有史以前から,自然現象を題材とした音楽の制作はおこなわれてきたと思われ,宇宙に関してもたとえばG・ホルストの「惑星」をはじめとして人口に膾炙した作品も少なくない。これらは,作曲者の芸術性によって普通の音楽作品と同等のクオリティを有するが,自然の対象をイメージした人間の創作であり直接自然現象が音楽を造っているわけではない。

それに対して,宇宙のデータになんらかの加工をほどこして音楽にする試みもおこなわれてきた。古くは惑星の軌道を音階に対応させたJ・ケプラーの「天球の音楽」があげられる(ただし,これは芸術目的というより自然科学の一貫であろう)。このようなこころみは近年の電子技術の発達によって急速に発展し,宇宙からくる電磁波などの自然の信号になんらかの変換をほどこして,音楽や映像の芸術にするという試みが盛んにおこなわれている。しかし,単純に自然現象を変換規則を定義して音にしただけでは音楽性に欠け,単に「面白い自然科学のプレゼンテーション」に終わってしまう危険がある。

本プロジェクトでは,オーロラを題材に,光学観測や磁場などの自然現象のデータに対して,音楽家が即興演奏で応酬するという新しい試みを紹介する。ジャズなどの即興演奏を主体とした音楽ジャンルで活躍する演奏家であれば,リアルタイムのデータ変化に対して即時に反応して音楽性の高い演奏をすることが可能であり,「One and Only」のその場かぎりの音楽を提供することができる。講演では,オーロラと即興演奏の音楽のコンセプトと,それを実現するための手法について,現段階での計画を紹介する。