日本地球惑星科学連合2015年大会

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口頭発表

セッション記号 A (大気水圏科学) » A-AS 大気科学・気象学・大気環境

[A-AS22] ミクロスケール気象現象解明にむけた稠密観測・予報の新展開

2015年5月25日(月) 14:15 〜 16:00 301A (3F)

コンビーナ:*古本 淳一(京都大学生存圏研究所)、常松 展充(東京都環境科学研究所)、荒木 健太郎(気象庁気象研究所予報研究部)、座長:常松 展充(東京都環境科学研究所)

14:30 〜 14:45

[AAS22-02] 街区・建物微気象LESモデルの開発

*池田 亮作1日下 博幸1 (1.筑波大学計算科学研究センター)

キーワード:Large Eddy Simulation, 都市熱環境

ヒートアイランド緩和策や温暖化に対する測定環境の変化の評価など、局所的な微気象、熱環境への関心が高まっている。本研究では、これらの効果を計算できる街区・建物周辺微気象LESモデルの開発を行い、建物、公園、街路樹等が局所的な気温分布に与える影響を調べた。
 本研究で開発したLESモデルは、気象モデルベースのものであり、気象の物理モデル等が導入されていることに加え、建物解像かつ街路樹が反映可能であり、建物・街路樹の影の計算及び、多重反射が考慮可能である。街区内の暑熱環境の計算においては、街区内の放射環境が重要な要素の1つであるため、本モデルでは、長波放射・短波放射ともにラジオシティ法を用い、多重反射を考慮している。街路樹に対しては、樹木は枝や幹はなく葉のみであるとし、樹木を格子に分割し、各々の格子に含まれる葉群を1枚の葉で表現している。 この葉が樹木の葉による放射の遮蔽・透過・反射の効果を表現するものとする。葉面間及び樹木建物間の多重反射は、建物間と同じくラジオシティ法により計算を行う。
 開発したモデルを用いて、多治見市と名古屋市の中心街を対象に、街路樹やドライミストが局所的な気温に及ぼす影響を評価した。今後、計算結果を用いて、多治見市に対し暑熱環境緩和策の提言(効果的な街路樹・ドライミストの設置場所等の提案)を行っていく予定である。