日本地球惑星科学連合2015年大会

講演情報

インターナショナルセッション(口頭発表)

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-IS ジョイント

[M-IS01] Geoconservation and sustainable development

2015年5月25日(月) 09:00 〜 10:45 101B (1F)

コンビーナ:*目代 邦康(自然保護助成基金)、Abhik Chakraborty(伊豆半島ジオパーク)、座長:目代 邦康(自然保護助成基金)、Abhik Chakraborty(伊豆半島ジオパーク)

10:25 〜 10:45

[MIS01-05] 日本のジオパーク活動:その経緯と持続可能な発展に果たす役割

*渡辺 真人1 (1.産業技術総合研究所地質情報研究部門)

キーワード:地形・地質遺産の保全, 持続可能な発展, ジオパーク, 地域社会

日本においては、Geocoservationは一部の研究者のみが関わる活動であった。それがジオパークの活動により、社会に少し広まった。本発表では日本のジオパークの活動の広がりの経緯と、それがGeoconservationや地域の持続可能な開発に果たす役割について述べる。
日本の科学者がジオパークの考え方について気づき、普及を始めたのは2004年であった。その後学会でのシンポジウムなどを通じて、ジオパークの考え方は少しずつ普及し、2007年にはすでにジオパーク的活動(の一部)を長年行ってきた地域の中に、ジオパークを設立しようという動きが広まってきた。この動きを受ける形で、2008年に日本ジオパーク委員会が研究者の手により設立された。
日本ジオパーク委員会は2008年に世界ジオパーク候補の推薦と日本ジオパークの認定を初めて行った。現在では日本には世界ジオパーク7ヶ所を含む36ヶ所のジオパークがあり、Geoconservationと持続可能な地域の開発という考え方を含む、ジオパークの考え方を普及するのにまだ不十分ではあるが重要な役割を果たしている。日本ジオパーク委員会は学者による一種のトップダウン的な動きであるが、2009年によりボトムアップ的な動きとして日本ジオパークネットワークがジオパークに認定された地域の人達により設立された。日本ジオパークネットワークの大会や研修会では、Geoconservationをどう実行するか、持続可能な開発に向けて何をしたら良いか、と言ったテーマが活発に議論されている。この日本ジオパークネットワークと日本ジオパーク委員会との協力により、地学的観点を重視した地域の持続可能な開発が今後模索されて行くであろう。