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[SCG57-15] 2014年長野県北部の地震の複雑な断層
キーワード:2014年長野県北部の地震, 臨時地震観測, 震源分布, 複雑な断層面
2014年11月22日22時8分頃、長野県北部を震源とするマグニチュード6.7(Mw6.2)の地震が発生した。本震発生後、余震域の広がりに応じて、九州大学、北海道大学、東北大学と共に臨時観測点を設置し、一部をテレメータ化して、現在は、17ヶ所で観測を続けている。12月中旬にオフライン観測点の一部を回収し、周辺のテレメータ観測点とともに震源決定を行った。震源決定に用いた速度構造は、この付近で行われた人工地震探査の結果を元にした一次元速度構造である。白馬村では、この地震発生の4日前の11月18日18時頃から、M3程度を最大規模とする小さな群発地震活動があったため、11月20日から震源域の直上にオフライン観測点を設置していた。その記録を用いて解析を行ったため、本震の破壊開始点を始めとする余震分布を高精度で得ることができた。その結果、本震の位置は、気象庁一元化震源に比べて約2.5km東にずれた。本震周辺の震源は、高角な東傾斜の面上になり、これが本震の地震断層と考えられる。しかし、余震は、この面以外にも分布していて、鉛直に分布するものや西傾斜になるものもあり、複雑な断層群を形成している。本震の発震機構解は、北西―南東方向に圧力軸をもった逆断層と考えられるが、地震断層面は、単純な一枚の面とはいえないようである。