日本地球惑星科学連合2015年大会

講演情報

ポスター発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-IS ジョイント

[M-IS23] ジオパーク

2015年5月25日(月) 18:15 〜 19:30 コンベンションホール (2F)

コンビーナ:*尾方 隆幸(琉球大学教育学部)、渡辺 真人(産業技術総合研究所地質情報研究部門)、有馬 貴之(帝京大学 経済学部 観光経営学科)、平松 良浩(金沢大学理工研究域自然システム学系)、大野 希一(島原半島ジオパーク協議会)、藁谷 哲也(日本大学大学院理工学研究科)、植木 岳雪(千葉科学大学危機管理学部)

18:15 〜 19:30

[MIS23-P07] あかつきツーリズム:次世代ジオパークコンテンツとしての金星観望キャンペーン

*中串 孝志1 (1.和歌山大学観光学部)

本研究は、現在は地球に拘束されている「ジオパーク」活動を、地球の外の世界への扉にする試みである。次世代の「ジオパーク」のコンテンツとして、これまで着目されて来なかった「惑星科学コンテンツ」の可能性について考察する。各ジオパークでは地球に関する観光・教育コンテンツの整備が進められているが、地球も惑星の一つである。従ってジオパークで充実しつつあるコンテンツの多くは、少しの工夫で惑星科学の広報・アウトリーチとして応用できるはずである。

次に、惑星科学コンテンツを提示する際の目標を「理解」ではなく「話題に触れてもらうこと」程度に捉えた場合にあり得る活動形態として、天体観望会を挙げ、その可能性を検討する。具体例として金星と我が国の金星探査機「あかつき」との関連を述べ、2017年に「あかつき」支援観測キャンペーンを展開する可能性を述べる。

本研究で検討した内容は、科学コミュニケーション論の文脈で言えば、旧来の欠如モデル的な理科教育の文脈から脱せない普及活動とは一線を画すアイデアを模索する試みでもある。停滞するジオパーク・惑星探査計画の双方にとって有意義な観光コンテンツを創出するスキームを生み出すためにも、今後さらなる実証的研究が必要であろう。