日本地球惑星科学連合2015年大会

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口頭発表

セッション記号 A (大気水圏科学) » A-AS 大気科学・気象学・大気環境

[A-AS22] ミクロスケール気象現象解明にむけた稠密観測・予報の新展開

2015年5月25日(月) 14:15 〜 16:00 301A (3F)

コンビーナ:*古本 淳一(京都大学生存圏研究所)、常松 展充(東京都環境科学研究所)、荒木 健太郎(気象庁気象研究所予報研究部)、座長:常松 展充(東京都環境科学研究所)

15:15 〜 15:30

[AAS22-05] 岐阜県多治見市周辺における猛暑のメカニズム解明に向けた観測調査

*高根 雄也1日下 博幸2近藤 裕昭1岡田 牧3阿部 紫織3高木 美彩3宮本 賢二4冨士 友紀乃4永井 徹4 (1.産業技術総合研究所、2.筑波大学計算科学研究センター、3.筑波大学大学院生命環境科学研究科、4.多治見市役所)

キーワード:猛暑, 気圧配置, フェーン, アメダス, 多治見

岐阜県多治見市は、夏季の高温が著しい地域の一つである。過去の調査・研究等により、多治見の高温の仮説として、様々なスケールに渡る以下の7つが示唆されている。すなわち、(1)特定の気圧配置、(2)北西/西側の山からの気流、(3)名古屋都市域からの熱の輸送、(4)盆地効果、(5)多治見市のヒートアイランド、(6)土壌の乾燥化、(7)多治見アメダス周辺の熱環境の問題である。本研究では、上記7つの仮説について、過去23 年間の気象観測データおよび、独自に3年間実施した気象観測により得られたデータを用いて、様々なスケールの視点に立ち、気候学的に検証した。その結果、多治見市の気候学的な高温には、(1)特定の気圧配置である鯨の尾型の出現と(5)都市化というバックグラウンドの環境場に、(2)西/北西側の山からの気流が重なり、かつ(7)多治見市内では高温が観測されやすい街区内にAMeDAS 観測地点が設置されていることが寄与していることが示唆された。