日本地球惑星科学連合2015年大会

講演情報

ポスター発表

セッション記号 P (宇宙惑星科学) » P-CG 宇宙惑星科学複合領域・一般

[P-CG30] 太陽系小天体研究の新展開

2015年5月26日(火) 18:15 〜 19:30 コンベンションホール (2F)

コンビーナ:*荒川 政彦(神戸大学大学院理学研究科)、中本 泰史(東京工業大学)、渡邊 誠一郎(名古屋大学大学院環境学研究科地球環境科学専攻)、安部 正真(宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究所)、石黒 正晃(ソウル大学物理天文学科)

18:15 〜 19:30

[PCG30-P07] 2012年10月りゅう座流星群のMUレーダーヘッドエコー観測

*藤原 康徳1Johan Kero2阿保 真3Csilla Szasz2中村 卓司4 (1.総合研究大学院大学、2.IRF、3.首都大学東京、4.国立極地研究所)

キーワード:流星群, レーダー観測, ヘッドエコー

10月りゅう座流星群は、21P/Giacobini-Zinner彗星を親天体とする流星群で、1933年、1946年にはZHR10,000を上回る流星嵐をおこしたことで知られている。
近年、親彗星からのダスト(流星体)放出とそのダストの軌道変化を計算でシミュレーションすることによりその彗星からのダストの地球近傍での分布を求め、それによる流星群の出現予報が行われている。この方法により、2011年には、Giacobini-Zinner彗星からの流星群の活発な出現が予報され、実際の観測とよい一致をみた。
2012年には、モデル計算からは、この彗星からのダストは地球に大きく近づくことはなく、活発な出現があることは予報されていなかった。我々は、2012年10月8日~10日に大型大気レーダーであるMUレーダー(京都大学生存圏研究所:滋賀県甲賀市)でヘッドエコーモードによる電波観測を実施した。10月8日の13時~20時(UT)に、10月りゅう座流星群の2011年の出現を上回る活発な活動を捉えた。
活動の中心時間帯(13-20時UT)での51個の流星からの平均輻射点は、赤経α=262.5度、赤緯δ=+55.8度、地心速度Vg=20.6km/sであった。発表では、2011年のMUレーダーでのヘッドエコー観測結果(Kero et al. 2012)との比較結果についても報告する。