日本地球惑星科学連合2015年大会

講演情報

口頭発表

セッション記号 U (ユニオン) » ユニオン

[U-05] Future Earth - 持続可能な地球へ向けた統合的研究

2015年5月25日(月) 14:15 〜 16:00 103 (1F)

コンビーナ:*氷見山 幸夫(北海道教育大学教育学部)、中島 映至(東京大学大気海洋研究所)、谷口 真人(総合地球環境学研究所)、大谷 栄治(東北大学大学院理学研究科地学専攻)、座長:山形 与志樹(独立行政法人国立環境研究所)

15:00 〜 15:25

[U05-12] 急成長モンゴルにおけるレジリエンスに関するトランスディシプリナリー研究の創出

*鈴木 康弘1篠田 雅人1 (1.名古屋大学)

キーワード:レジリエンス, 災害, モンゴル, トランスディシプリナリー研究

モンゴルでは近年、急速な都市化や国土開発が進む一方、災害・環境対策が追いつかない。また自由主義化に伴って遊牧民の生活様式や社会構造も急変し、災害や社会変化に対するレジリエンス(柔軟な対応力)を失いつつある。このため今こそ、伝統的なレジリエンスを再確認するとともに、詳細なハザード評価を考慮した長期ビジョンを見極める必要に迫られており、名古屋大学とモンゴル国立大学は2014年度にレジリエンス共同研究センター準備室を立ち上げた(9月15日にはプレオープンシンポジウムを開催)。
ここでは、従来から国際共同研究として進めてきた活断層や寒雪害(ゾド)に関する研究や、伝統文化や社会構造の変化に関する文化人類学的研究成果、あるいは大気汚染等環境問題に関する研究成果をモンゴルの学生および市民にセミナー形式で定期的に紹介し、レジリエンスのあり方についての議論を深める。共同研究への学生の参加を促し、発展させるとともに、彼ら自身が主体的にモンゴルのレジリエンスのあり方を考えられるようにする。当面、①ハザードを考慮した都市計画、②ウランバートルの「ゲル地区」の再開発、③首都拡張計画等をテーマとすることを予定している。
なお、本件は、Future EarthのStrategic Research Agenda 2014における、下記の項目を具体的に推進するものと考えている。「C:Transformations towards Sustainability」のうち、「C3:Transforming development pathways」,「C3-2:What are the potentials and possibilities for adapting and transforming infrastructure and services in urban and rural areas, in diverse socio-economic contexts, given the constraints and interdependence of these systems? What types of running processes and tools can contribute to integrated urban and rural sustainable development?」。