日本地球惑星科学連合2015年大会

講演情報

口頭発表

セッション記号 G (教育・アウトリーチ) » 教育・アウトリーチ

[G-05] 学部生向けの教育

2015年5月24日(日) 12:00 〜 12:45 102B (1F)

コンビーナ:*畠山 正恒(聖光学院中学高等学校)、座長:畠山 正恒(聖光学院中学高等学校)

12:15 〜 12:18

[G05-P01] 大学における環境教育とESDの果たしてきた役割

ポスター講演3分口頭発表枠

*村田 史之1 (1.太成学院大学経営学部現代ビジネス学科)

キーワード:環境教育, ESD, 持続可能な開発, ゼミナール

ESDは「持続可能な開発のための教育」と訳され,2002年に国連主催の「持続可能な開発のための世界首脳会議(WSSD,ヨハネスブルグ・サミット)」が開催された。この場で日本のNGOと政府による,「国連持続可能な開発のための教育の10年 (DESD)」の提唱がESDの始まりである。1992年には「環境と開発に関する国連会議 (UNCED,リオ会議)」が開催され,持続可能な開発に必要な活動を包括的にまとめたアジェンダ21が提示され,さらに環境教育の進展型として「人間開発のための環境・人口教育と情報 (EPD)」がUNESCOによって提唱・開始された。EPDには地球規模での環境保護などに関する問題と関連した,経済的,社会的,環境的考察が含まれており,各国政府などの組織が計画を策定し,政治を実施することを支援するための包括的な原則が提示された。
 ゼミナール受講者が生まれた年は1992年前後であり,まさにリオ会議が開かれた時期に相当する。これらの世界における環境政策の影響が,その後の受講者に対する教育や,受講者の環境に対する意識形成に及んでいることは想像に難くない。経営学部,現代ビジネス学科という文系学部に所属する学生であるにも関わらず,環境に関する意識は高く,ゼミナールにおいては,NOAA衛星のAPT受信,AVHRR受信システムの構築,身近な居住空間におけるCO2測定,紫外線測定などに主体的に取り組んだ。
 ここではゼミナールにおける諸項目,すなわちそのテーマを選択するに至った経緯や,実験を行う手法や得られた結果と,受講者がこれまでに受けてきたESDなどに関する環境教育との関連性を,受講者のコメントを対比することによって考察する。一例としては,ESDで求められている,地元密着型の調査や,他者との連携を行うことで、他の地域とデータを比較したいという要求があると考えられることや、自主的な集団観測の実施などが挙げられる。また同時に学部での環境教育や地球惑星科学に関する教育についても,さまざまなコメントを基に、これまでに受けてきた環境教育との関連性を考察するとともに、現状の問題点や今後の展望を考える。