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[PCG30-13] はやぶさ2帰還試料の初期記載分析フローの検討
キーワード:はやぶさ2, キュレーション, 初期記載, 1999JU3, 炭素質コンドライト
「はやぶさ2」は2014年12月に打ち上げに成功し、現在C型小惑星1999JU3へ向かっている。JAXAキュレーションチームでは、2020年の小惑星試料帰還をにらみ、2015年度中に新たなクリーンチャンバーの仕様検討にとりかかる予定である。本発表ではそれに先立って、「はやぶさ2」帰還試料の初期記載分析フロー案を紹介する。
初期記載分析フローとは、ほぼ全ての帰還試料が辿る分析フローである。基本的に、物理的非破壊かつ大気遮断の分析を前提として、キュレーションチームによって行われる。より詳細な記載を目的とした初期分析や、現在「はやぶさ」帰還試料に対して行われている国際公募(AO)は、「はやぶさ」の初期記載分析の情報をもとに試料申請・配布が行われている。「はやぶさ2」でも同様にキュレーションによる初期記載分析の後に、初期分析や国際AOが行われる予定である。つまり初期記載分析は全ての分析の最上流にあり、試料配分のための情報取得と共に、汚染やダメージを最大限防ぐことが求められている。
現在までに検討されている初期記載分析フローは以下の通りである。1. サンプルコンテナをJAXAキュレーション施設内のクリーンチャンバーに組み付ける。2. 地球帰還後から組付け迄に試料からサンプルコンテナ内に放出された揮発性成分の採取・分析を行う。3. サンプルコンテナの開封後、光学顕微鏡下で試料の大まかなサイズと量を把握する。4. 組織の判別のため、大きなものから優先的にX線CTを行う。5. 有機分析と無機分析に分けて記載分析を進める。無機分析は主にSEM/EDSによる岩石学・鉱物学観察と主要構成鉱物の同定、有機分析については専門家の協力を仰ぎ、分析手法の検討を進めている。6. 試料の約半数を初期分析や国際AOなど後の詳細分析のために分離し、残りは保管する。
現在キュレーションチームでは、様々な分野の研究者と協議し、初期記載分析フローの構築を進めている段階である。帰還試料から最大のサイエンスゲインを得るために、チャンバーの仕様検討と平行して、各分析手法のダメージ評価や汚染防止のための大気遮断容器の開発も必要となってくる。発表ではこのような今後の課題も含めて、最新版の分析フローを紹介する。
初期記載分析フローとは、ほぼ全ての帰還試料が辿る分析フローである。基本的に、物理的非破壊かつ大気遮断の分析を前提として、キュレーションチームによって行われる。より詳細な記載を目的とした初期分析や、現在「はやぶさ」帰還試料に対して行われている国際公募(AO)は、「はやぶさ」の初期記載分析の情報をもとに試料申請・配布が行われている。「はやぶさ2」でも同様にキュレーションによる初期記載分析の後に、初期分析や国際AOが行われる予定である。つまり初期記載分析は全ての分析の最上流にあり、試料配分のための情報取得と共に、汚染やダメージを最大限防ぐことが求められている。
現在までに検討されている初期記載分析フローは以下の通りである。1. サンプルコンテナをJAXAキュレーション施設内のクリーンチャンバーに組み付ける。2. 地球帰還後から組付け迄に試料からサンプルコンテナ内に放出された揮発性成分の採取・分析を行う。3. サンプルコンテナの開封後、光学顕微鏡下で試料の大まかなサイズと量を把握する。4. 組織の判別のため、大きなものから優先的にX線CTを行う。5. 有機分析と無機分析に分けて記載分析を進める。無機分析は主にSEM/EDSによる岩石学・鉱物学観察と主要構成鉱物の同定、有機分析については専門家の協力を仰ぎ、分析手法の検討を進めている。6. 試料の約半数を初期分析や国際AOなど後の詳細分析のために分離し、残りは保管する。
現在キュレーションチームでは、様々な分野の研究者と協議し、初期記載分析フローの構築を進めている段階である。帰還試料から最大のサイエンスゲインを得るために、チャンバーの仕様検討と平行して、各分析手法のダメージ評価や汚染防止のための大気遮断容器の開発も必要となってくる。発表ではこのような今後の課題も含めて、最新版の分析フローを紹介する。