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[SVC47-12] 火山噴火と地震活動の同時表示の試み その1:日本
キーワード:火山, 噴火, 地震, 時系列
1.はじめに
地震活動の解析はいろいろな公開されたツール(例えばSeis-PC)や個人でのソフトも活用されている。これは一般に使える地震カタログ(例えば、気象庁震源カタログ、米国地質調査所のPDE、国際地震センターの地震カタログなど)が流通していることが大きな要因である。一方、火山噴火については文章記載的なものは公開されているが、時空間で活動を表示できるようなディジタル化されたデータはない。ここでは、地震活動と火山噴火の関連性を調べるため、両者を同じ図に表示できるような火山噴火データの作成を試みた。
2.データについて
地震活動のデータについては、理科年表の被害地震の表、宇津カタログ、気象庁一元化震源などを使用した。火山噴火については、米国スミソニアン研究所のホームページ(http://volcano.si.edu/)に掲載されている噴火履歴の表からデータを作った。
採用した噴火は、噴火年の記載があり、「Confirmed」とされているものだけで、噴火年にプラスマイナスが年のものは不採用とした。月、日の記載が無いものは、噴火開始は1月1日、噴火終わりは12月31日とした。月は記載されているが、日の記載が無いのは、噴火開始は1日、噴火終了は月の末日を代用した。噴火の終わりの記載されていない場合は、噴火開始日だけにした。噴火開始日と終了日の記載のある場合は、その間の期間の毎日噴火したとして扱った。こうすると実際の噴火があった日より多くなる可能性が高いが、噴火日を漏らさないという方針で行った。
時刻は、噴火時刻が不明な場合はすべて0時0分とした。同じ日に複数の火山で噴火があった場合は、Seis-PCでは同じ時刻のイベントは最初の一つしか採用しないため、二つ目以降の噴火には、時刻を1秒毎増やして全てを表示できるようにした。位置情報は、火山の位置を使用し、火口が別に分かっている場合もそれは採用せず、火山の位置のままにした。標高は10m単位でマイナス表示。例えば、富士山の3776mは「-378」としてmの単位は四捨五入した。海底火山で深さが水深で示されている場合はプラスで入力した。マグニチュードは、火山爆発指数 volcanic explosivity index(VEI)を使用した。VEIの記載が無いのは、「ブランク」とした。
火山噴火データは、多量にあるので、第一歩として日本周辺の主な火山を入力した。スミソニアンのデータベース検索で「japan」で検索できた火山を対象として過去の噴火データを入力した。総噴火件数として15万6千件余りになった。
震源については、歴史地震の多くは深さが示されておらず、通常は「0km」として扱われることが多い。しかし、今回は深さが「0km」とすると海底火山の水深より浅くなり深さで火山噴火と震源が区別できなくなる。そのため、震源の深さが示されていない歴史地震や震源の深さが「0km」とされているものは人為的に深さ「9km」と変更した。
3.結果
869年貞観の地震の前後では、870年に富士山、871年に鳥海山が噴火している。1700年からの10年間では、まず1700年に富士山、1702年に白頭山、1703年に浅間山が噴火し、1703年元禄地震が発生。浅間山の噴火は1709年まで断続的に続き、1706年姶良火山、1707年支笏火山が噴火し、1707年の宝栄地震発生と続いている。その後、よく知られた富士山噴火が続き、1709年には阿蘇も噴火している。このように地震発生と火山噴火を同時に表示できれば、広域の時系列を簡単に把握できる。今回のデータの中では、沖縄の1922年M7.6の地震のあとに起きた1924年宮古島近海でのVEI4の噴火は、この地域ではどちらも唯一の最大規模の現象であり、関連性に興味が持たれる。
地震活動の解析はいろいろな公開されたツール(例えばSeis-PC)や個人でのソフトも活用されている。これは一般に使える地震カタログ(例えば、気象庁震源カタログ、米国地質調査所のPDE、国際地震センターの地震カタログなど)が流通していることが大きな要因である。一方、火山噴火については文章記載的なものは公開されているが、時空間で活動を表示できるようなディジタル化されたデータはない。ここでは、地震活動と火山噴火の関連性を調べるため、両者を同じ図に表示できるような火山噴火データの作成を試みた。
2.データについて
地震活動のデータについては、理科年表の被害地震の表、宇津カタログ、気象庁一元化震源などを使用した。火山噴火については、米国スミソニアン研究所のホームページ(http://volcano.si.edu/)に掲載されている噴火履歴の表からデータを作った。
採用した噴火は、噴火年の記載があり、「Confirmed」とされているものだけで、噴火年にプラスマイナスが年のものは不採用とした。月、日の記載が無いものは、噴火開始は1月1日、噴火終わりは12月31日とした。月は記載されているが、日の記載が無いのは、噴火開始は1日、噴火終了は月の末日を代用した。噴火の終わりの記載されていない場合は、噴火開始日だけにした。噴火開始日と終了日の記載のある場合は、その間の期間の毎日噴火したとして扱った。こうすると実際の噴火があった日より多くなる可能性が高いが、噴火日を漏らさないという方針で行った。
時刻は、噴火時刻が不明な場合はすべて0時0分とした。同じ日に複数の火山で噴火があった場合は、Seis-PCでは同じ時刻のイベントは最初の一つしか採用しないため、二つ目以降の噴火には、時刻を1秒毎増やして全てを表示できるようにした。位置情報は、火山の位置を使用し、火口が別に分かっている場合もそれは採用せず、火山の位置のままにした。標高は10m単位でマイナス表示。例えば、富士山の3776mは「-378」としてmの単位は四捨五入した。海底火山で深さが水深で示されている場合はプラスで入力した。マグニチュードは、火山爆発指数 volcanic explosivity index(VEI)を使用した。VEIの記載が無いのは、「ブランク」とした。
火山噴火データは、多量にあるので、第一歩として日本周辺の主な火山を入力した。スミソニアンのデータベース検索で「japan」で検索できた火山を対象として過去の噴火データを入力した。総噴火件数として15万6千件余りになった。
震源については、歴史地震の多くは深さが示されておらず、通常は「0km」として扱われることが多い。しかし、今回は深さが「0km」とすると海底火山の水深より浅くなり深さで火山噴火と震源が区別できなくなる。そのため、震源の深さが示されていない歴史地震や震源の深さが「0km」とされているものは人為的に深さ「9km」と変更した。
3.結果
869年貞観の地震の前後では、870年に富士山、871年に鳥海山が噴火している。1700年からの10年間では、まず1700年に富士山、1702年に白頭山、1703年に浅間山が噴火し、1703年元禄地震が発生。浅間山の噴火は1709年まで断続的に続き、1706年姶良火山、1707年支笏火山が噴火し、1707年の宝栄地震発生と続いている。その後、よく知られた富士山噴火が続き、1709年には阿蘇も噴火している。このように地震発生と火山噴火を同時に表示できれば、広域の時系列を簡単に把握できる。今回のデータの中では、沖縄の1922年M7.6の地震のあとに起きた1924年宮古島近海でのVEI4の噴火は、この地域ではどちらも唯一の最大規模の現象であり、関連性に興味が持たれる。