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[MIS46-P05] 北西太平洋域の鉄マンガン酸化物資源形成の地域的・年代的普遍性
キーワード:北西太平洋, マンガン, 海水起源, クラスト, レアメタル, 団塊
鉄マンガン酸化物はその地域分布の普遍性と組成の多様性の特徴から、レアメタルの低品位大規模鉱床と特徴付けることができる。北西太平洋は、世界的にみて、クラストの豊富な分布が認められている海域であり、我が国がコバルトリッチクラストの探査鉱区を取得した海域を含み,世界各国のマンガンクラストの研究航海や探査活動が集中している。これは、白亜紀に形成された多数の海山群が分布するため、長期間安定な露岩域が普遍的に広がっていることが大きな要因の一つである。しかし、この海域の多様性の概要は未だに不明瞭である。例えば、安定な露岩域がありさえすれば、あらゆる水深で地質時代を通じて生成し続けているのか、という問題などあきらかになっていない。筆者らは、臼井ほか(1994)が出版した海底鉱物資源図(1970年代から1994年までの約20000点の試料採取点に基づく)を基にして、それ以降の様々な機関による航海調査成果を追加し、同じ区画(北緯15-50°、統計120-160°)について、マンガン酸化物(団塊とクラスト)の概要分布図を描く。
さらに、未公表の成長年代データを統合して、形成年代とマンガン酸化物の産状・分布を検討した。予察的とりまとめによると、北西太平洋のほぼ全域にわたり、中新世あるいはそれ以前から現在まで、広い水深帯(現在水深で、最深6100mから最浅900mまで)において、成長を続けていることが示唆される。このことは、レアメタル資源としての経済価値の評価、新鉱床の探査手法、古海洋学的環境の復元などの考察において、非常に重要な基礎データとなり、同時に、地球科学情報の記録者およびレアメタルの将来資源としての価値を高めている。
さらに、未公表の成長年代データを統合して、形成年代とマンガン酸化物の産状・分布を検討した。予察的とりまとめによると、北西太平洋のほぼ全域にわたり、中新世あるいはそれ以前から現在まで、広い水深帯(現在水深で、最深6100mから最浅900mまで)において、成長を続けていることが示唆される。このことは、レアメタル資源としての経済価値の評価、新鉱床の探査手法、古海洋学的環境の復元などの考察において、非常に重要な基礎データとなり、同時に、地球科学情報の記録者およびレアメタルの将来資源としての価値を高めている。