[P-PS01] Outer Solar System Exploration Today, and Tomorrow

[PPS01-P03] JUICE-GALA : Focal Plane Assembly と Analog Electronics Moduleの検討

*小林 正規¹、石橋 高¹、塩谷 圭吾²、宇都宮 真²、並木 則行³、野田 寛大³、押上 祥子³、鹿島 伸悟³、荒木 博志³、木村 淳⁴、小林 進悟⁵、藤井 雅之⁶、Hauke Hussmann⁷、Kay Lingenauber⁷、Jurgen Oberst⁷ (1.千葉工業大学惑星探査研究センター、2.宇宙航空開発機構宇宙科学研究所、3.国立天文台 RISE月惑星探査検討室、4.東京工業大学地球生命研究所、5.独立行政法人　放射線医学総合研究所、6.FAMサイエンス、7.ドイツ航空宇宙センター)

キーワード：JUICE, GALA, レーザー高度計, APD, ガニメデ, アナログ回路

2022 年打ち上げ予定のESA 木星探査計画(JUICE; JUpiter ICy moons Exploler) でレーザ高度計(GALA, Ganymede Laser Altimeter) の搭載が予定されている。GALA はドイツ、日本、スイス、スペインの4 国で共同開発され、日本チームはレーザ反射光受信望遠鏡、バックエンド光学系(BEO)、APDセンサモジュールが収められる焦点面アセンブリ(FPA)およびアナログの電子モジュール(AEM)の開発を担当している。
GALAの受光系では、観測対象の固体表面からの反射パルス信号を受信望遠鏡で集光して、続くBEOに導入する。BEOは反射光をAPDセンサの表面に焦点を合わせるように設計される。GALAで使用するAPDは、宇宙搭載のレーザ高度計で多くの経験を持っているExcelitas Technologies社の製品を採用した。
　採用するAPDモジュールは、APD、プレアンプ（トランスインピーダンスアンプ、TIA）、温度センサ、ペルチエ素子を含むハイブリッドICで構成されている。TIAの出力信号の帯域は120MHzとする。このAPDセンサは1060nmで約40%まで高められた量子効率を持っていて、1064nmのYAGレーザを利用する装置には有利な仕様となっている。FPAには二重冗長になっている光ファイバが、レーザヘッドモジュール(LHM)で発生するレーザーパルスの一部をAPDセンサに導入するように、FPAに取り付けられる。APDモジュールによるTIAは入力光パルスに対応する電圧信号はAEMに送られる。導入されたレーザーパルスから容認されたリターンパルスまでの波形がアナログ・デジタル変換(ADC)回路によってディジタルデータに変換され、デジタルサンプリングされた波形信号は距離測定モジュール(RFM)に送信される。RFMでは、「整合フィルタmatched filter」によってS/N比を最適化し、送信および受信パルスのタイミングの検出および受信パルスの幅、波高値を測定することで、正確な距離測定をしたり、送信パルスが反射した地形を調べたりすることができる。
　本講演では、JUICE-GALAのFPAおよびAEMの開発状況について報告する。