日本地球惑星科学連合2015年大会

講演情報

ポスター発表

セッション記号 H (地球人間圏科学) » H-TT 計測技術・研究手法

[H-TT31] 環境トレーサビリティー手法の新展開

2015年5月27日(水) 18:15 〜 19:30 コンベンションホール (2F)

コンビーナ:*中野 孝教(大学共同利用機関法人 人間文化研究機構 総合地球環境学研究所)、陀安 一郎(京都大学生態学研究センター)

18:15 〜 19:30

[HTT31-P21] 多重検出器型ICP質量分析計によるホウ素同位体比測定の検討

*斎藤 健志1申 基澈2中野 孝教2小松 登志子1 (1.埼玉大学、2.総合地球環境学研究所)

キーワード:ホウ素同位体, 多重検出器型ICP質量分析計

ホウ素(Boron:B)には,10Bと11Bの2つの安定同位体が存在し,その存在比はそれぞれ約19%と81%である。これら安定同位体の質量数の差は約10%と大きく,同位体効果も大きいことが知られているため,非常に有用なトレーサーになることが期待されている。従来,ホウ素の安定同位体比(11B/10B)は,表面電離型質量分析計(TIMS)によって測定がなされてきた。近年では,分析機器や技術などの向上に伴い,多重検出器型ICP質量分析計(MC-ICP-MS)を用いることで,低濃度サンプルに対してもより簡便にその同位体比を測定できるようになってきた。しかしながら,現状で分析方法に関する文献も出されていることから,まだ一般的に広く普及した手法であるとは言えない。そこで本研究では,標準物質(NIST SRM 951)を用いて,MC-ICP-MSによるホウ素同位体測定について検討を行った。特に,測定サンプル濃度や測定時間等,分析条件の最適化を試みた。