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[MIS28-07] MD01-2407コアからみた過去60万年間の日本海堆積物の有機炭素量変動
キーワード:有機炭素量, 隠岐堆, 気候変動, 日本海, プロキシー, MD01-2407
2001年に隠岐堆で採取されたMD01-2407コアは堆積物の厚さで52.28 mあり,その下底の年代は60万年余まで遡る.このコアについて有機炭素(TOC)・全窒素(TN)量の測定を1cmおきに行い,60万年前までの測定を終えた.その後,とばしていた中間の試料の測定を継続しており,完了すれば平均125年ごとの平均濃度の資料となる.TOCの層序的・経年的な変動は,全体として海洋酸素同位体比曲線によく似た変動を示すが,海水準がもっとも高くなる間氷期の層準では不一致である.氷期のTOC変動は,海洋酸素同位体比に比べて顕著な増減を示し,10万年前までではグリーンランド氷床の酸素同位体比の変動と,それ以前については南極氷床の酸素同位体比変動とよく同調して変動する.この変動は,下北沖のC9002A, B, Cコアで測定されたTOC濃度の経年的変動とも良く似ている.
同じ日本海で採取され,TOC・TN量が高時間分解能で測定されたコア試料には,上越沖の3コア(MD179-2996,3304,3312)と秋田沖の1コア(MD01-2408)がある.それらのコア試料がカバーする年代の下限は,10万年とか,20万年とかで,隠岐堆コアより短いが,同じような経年的変動をすることが確認できる.このことは日本海の主要部に共通した生物生産性の変動と,それを保存する高いポテンシャルあったことを示唆する.
日本列島周辺の日本海および太平洋の堆積物試料は,中緯度で,かつ強いモンスーンの影響を受ける地域の優れた気候資料を提供できるものと結論づけられる.
同じ日本海で採取され,TOC・TN量が高時間分解能で測定されたコア試料には,上越沖の3コア(MD179-2996,3304,3312)と秋田沖の1コア(MD01-2408)がある.それらのコア試料がカバーする年代の下限は,10万年とか,20万年とかで,隠岐堆コアより短いが,同じような経年的変動をすることが確認できる.このことは日本海の主要部に共通した生物生産性の変動と,それを保存する高いポテンシャルあったことを示唆する.
日本列島周辺の日本海および太平洋の堆積物試料は,中緯度で,かつ強いモンスーンの影響を受ける地域の優れた気候資料を提供できるものと結論づけられる.