日本地球惑星科学連合2015年大会

講演情報

ポスター発表

セッション記号 P (宇宙惑星科学) » P-EM 太陽地球系科学・宇宙電磁気学・宇宙環境

[P-EM27] 大気圏・電離圏

2015年5月26日(火) 18:15 〜 19:30 コンベンションホール (2F)

コンビーナ:*大塚 雄一(名古屋大学太陽地球環境研究所)、津川 卓也(情報通信研究機構)、川村 誠治(独立行政法人 情報通信研究機構)

18:15 〜 19:30

[PEM27-P22] 国際宇宙ステーションからの撮像観測を用いた大気光輝度の不連続の三次元構造の推定

*佐藤 大仁1齊藤 昭則1秋谷 祐亮1穂積 裕太1 (1.京都大学大学院理学研究科)

キーワード:大気光, 中間圏ボア

国際宇宙ステーション(ISS)からの宇宙飛行士による撮像画像を用いて大気光輝度の不連続の三次元空間構造を明らかにした。宇宙飛行士によるデジタルカメラを用いた夜間撮像には地球リム上に大気光層が写っている。可視光による撮像である為、これらは、高度90km付近に存在するNa 589nmとOI 557.7nmの大気光が支配的であると考えられる。2011年10月16日及び2014年8月26日の撮像では大気光層に輝度の不連続構造が観測された。それぞれ4分24秒間、8分15秒間の観測によって不連続構造を様々な角度から撮影されていたため、三次元空間構造の推定を行うことが出来た。その結果、不連続構造はNaとOIの二つの大気光発光層が上下に分かれることによるものであることがわかった。また、不連続構造はほぼ東西方向に幅700km以上にわたり広がっていることがわかった。また、アーベル関数を用いることで発光層の高度分布及び発光のRGB比を求めた。地上からの大気光観測では中間圏ボアとして大気光輝度の不連続構造が観測されているが、今回の不連続構造は中間圏ボアと共通する性質と、一致しない性質を持つ事が明らかとなった。講演では、観測された中間圏大気光不連続構造の空間的構造を報告し、そのボアとの相違点から、生成機構についての議論を行なう。