日本地球惑星科学連合2015年大会

講演情報

口頭発表

セッション記号 M (領域外・複数領域) » M-IS ジョイント

[M-IS30] 遠洋域の進化

2015年5月26日(火) 11:00 〜 12:45 304 (3F)

コンビーナ:*松岡 篤(新潟大学理学部地質科学科)、栗原 敏之(新潟大学大学院自然科学研究科)、加藤 泰浩(東京大学大学院工学系研究科システム創成学専攻)、尾上 哲治(熊本大学大学院自然科学研究科)、木元 克典(独立行政法人海洋研究開発機構)、野崎 達生(海洋研究開発機構地球内部ダイナミクス領域)、植田 勇人(新潟大学理学部地質科学科)、小林 健太(新潟大学理学部地質科学科)、長谷川 卓(金沢大学自然システム学系)、座長:尾上 哲治(熊本大学大学院自然科学研究科)、松岡 篤(新潟大学理学部地質科学科)

12:00 〜 12:20

[MIS30-12] 遠洋域の軟体動物:形態および生態の一般的特徴

*佐々木 猛智1 (1.東京大学総合研究博物館)

キーワード:遠洋域, 軟体動物

軟体動物は現生の海洋生物の中で最も繁栄している動物群であり、化石もカンブリア紀から完新世まで連続的かつ豊富に産出する。軟体動物の多くは底生であるが、浮遊性、漂泳性の種も存在する。腹足類では、翼足類、異足類、アサガオガイ科、裸鰓類の一部が代表的な例である。頭足類には浮遊生活をおくるもの、活発に遊泳するものが多数存在する。これらのグループに属する種は表層から底層付近にかけて様々な深度に棲み分けており、鉛直移動する種も多い。生活様式は、光、餌、温度、水圧など様々な要因に支配されていると考えられ、特殊化した生活様式は形の多様性に制約を与えている。遠洋域に進出したグループは、殻が薄くなるか、あるいは退化し、体色が限られた範囲に限定され、光に対して敏感に応答し、浮力調節機構を持つ特徴があり、これらの特徴は一般的な底生のグループとの比較により一層明らかになる。