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[SVC48-06] 火山災害リスク評価:溶岩流シミュレーションと建造物データベースの融合
キーワード:火山災害, リスク評価, 溶岩流シミュレーション, 建造物データベース, 暴露度, 脆弱性
火山災害は、火山活動により発生する種々の現象の影響が火山近隣へ影響を及ぼすことにより発生する。火山災害評価のための手法の一つに、噴火イベントツリー(Newhall and Hoblitt, 2002)を用いる方法が提案されており、観測により異常検知した火山に対し、イベントツリーのノードにおいてどの分岐を取るかの判定がされる。各ノードではそれぞれ以下の項目を扱う。すなわち、ノード1:不安定性、ノード2:マグマ貫入の有無、ノード3:噴火の有無、ノード4:規模、ノード5:現象、ノード6:方向、ノード7:到達範囲、ノード8:暴露度、ノード9:脆弱性。1~7のノードでは火山現象そのものの評価を行うものであるが、ノード8、9では火山学的要素と社会的要素を融合するものとなっている。火山災害が及ぶ地域においてどのような人口、不動産、交通、生産拠点などの地理情報としての暴露度・脆弱性(リスク)の変化を対象に時空間のデータモデルを規定し、時空間でデータを把握する。今回開発した火山リスクマネジメントシステムでは、データモデルとして、データベース管理システムにRDBMS(Relational DataBase Management System)を用いる。火山ハザードシミュレータとして溶岩流シミュレーションコードLavaSIMを適用する。また、暴露度・脆弱性には、建物形状データとして、東京大学空間情報科学研究センター(CSIS)の提供するデータを用いている。溶岩流シミュレーションデータと建物形状データのRDBMSを構築し、交差判定により、高速で火山災害評価を行い、その結果を地図に重畳表示できる機能を有する。今後、暴露度・脆弱性のデータとして、対象地域の人々の流動を推定したデータ(人の流れデータ)も取り込む予定である。