日本地球惑星科学連合2015年大会

講演情報

口頭発表

セッション記号 G (教育・アウトリーチ) » 教育・アウトリーチ

[G-04] 小・中・高等学校の地球惑星科学教育

2015年5月24日(日) 11:00 〜 12:00 102B (1F)

コンビーナ:*畠山 正恒(聖光学院中学高等学校)、座長:畠山 正恒(聖光学院中学高等学校)

11:15 〜 11:30

[G04-07] 自然地理学を充実させた高等学校地理Bカリキュラム構築の試み

深田 大介1、*青木 邦勲1 (1.日本大学豊山高等学校・中学校)

キーワード:自然地理学, 地理B, カリキュラム

本校では昨年度から実施した新教育課程において、地理Bを3年間で最大12単位履修できることになり、学習内容を深化させることができるようになった。授業計画の中で重点を置いたのが「自然地理学に関する説明を今までよりも丁寧かつ詳細に行う」ことである。

 この判断をした理由は3つある。

1つ目の理由は「地理学の基本である自然環境を背景に人間の諸活動が行われている立場に立って、自然環境が理解できると農牧業や鉱工業の理解がしやすい」からだ。このことは特に目新しいことではなく地理学を学ぶ一般的な考え方であるが、新しい授業計画では教科書の内容に沿った進め方をしていない。授業計画を「地形学→エネルギー・鉱工業(工業地誌)→気候学→農牧業(農業地誌)」とすることで、自然環境と人間の諸活動が関係を持つことを往復させて地理学の基本的な考え方を定着させたい。地理Bと平行して同時に地理Aを開講しており、地理Aでは「村落・都市→民族問題→環境問題→人口」を扱っているが、これらの内容においても自然環境の内容は無関係ではないので、基本的な考え方や学習方法を定着させる意図がある。

 2つ目の理由は、分野を越えて同じ用語が登場しても、用語を2度覚えする生徒が増加していることに問題意識を持ったからである。地理学の特色は1つの用語で分野を越えて話ができることであり、これが特に地誌学の学習には欠かせない。特に自然環境の用語はどこで使うのかを何回も提示しないと定着しないことが分かった。地形形成のプロセスを理解することと用語を覚えることは別の作業である認識をもっているようだ。用語が出てくるたびに新しい用語であると捉えてしまい地理学の学習は覚えることであると勘違いして学習意欲の低下が見られる生徒が出てしまう。そのため、学習意欲の低下を止めるための方法として考えた。

 3つ目の理由は、早い段階から地誌を扱うことで、地図に触れて正しい世界観を身に付けさせることを目標に置いたからである。と同時に、世界を概観することで資料集などを活用して各地の様子を見ることで、授業内容に興味を持ってもらうことも考えた。

 現在のところ、この試みに対して、生徒は好感を持ってくれているようである。外部の試験結果も良好であった。上記を踏まえて、実例を紹介しながら、自然地理学を中心にした立場での授業展開を発表する。