日本地球惑星科学連合2015年大会

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[O-01] ジオパークへ行こう

2015年5月24日(日) 14:15 〜 16:00 国際会議室 (2F)

コンビーナ:*渡辺 真人(産業技術総合研究所地質情報研究部門)、座長:渡辺 真人(産業技術総合研究所地質情報研究部門)

14:15 〜 14:35

[O01-01] 桜島・錦江湾ジオパークにおける体験学習プログラム

*福島 大輔1 (1.桜島ミュージアム)

キーワード:桜島, ジオパーク, 体験学習

桜島・錦江湾ジオパークでは様々な体験学習プログラムを行っている。2013年度は年間約5000人の修学旅行客を受け入れている。人気のプログラムは、温泉掘り体験、火山灰を使った陶芸体験、溶岩を使ったつかったピザ窯づくりとピザづくり体験など。単なる体験で終わらないよう、各プログラムの作成時には、火山に関する学びの要素を入れるよう工夫している。
温泉掘り体験では、体験の前に、時代の異なる3つの溶岩とその上にある植生の違いについて、本物を見せながら解説している。解説の後、海岸沿いの砂浜を掘り温泉が出てくることを体験する。砂を5cmほど掘ればどこでも温泉が出るが、場所によって色や温度が微妙に違う。チームごとに温度の高い温泉を探し、最も温度の高い温泉を掘り当てたチームを優勝として、商品をプレゼントしている。「探す」と「競う」という要素が入るとプログラムが盛り上がる傾向があるため、この2つの要素が入った温泉掘り体験の人気が高いと思われる。ただし、この温泉掘り体験は雨天時に実施することができないのが課題であった。これまでは、桜島島内をバスでめぐりながら火山の解説をするバスツアーに振り替えていたが、解説のみの場合、生徒が飽きることが多かった。
そこで、雨天時でも実施できる楽しく学べるプログラムとして、リアル脱出ゲームを開発中である。リアル脱出ゲームとは、一つの会場に集まった参加者達が協力し、様々なヒントを元に謎を解いてその場所から脱出するという体感型のイベントである。単なる体験型ゲームではなく、桜島・錦江湾ジオパークに関する学びの要素も入れ込むことで修学旅行のニーズにも対応させる予定である。
また、ロゲイニングというオリエンテーリングに似た野外スポーツをアレンジしたプログラムも開発中である。ロゲイニングとは、2~5人のグループが、地図上に記されたチェックポイントを制限時間内に自由にまわり、合計得点を競うゲームである。宝探しのような要素があるため、案内しづらい場所やマイナーな地域資源も自分で探して巡ってもらうことができる。
桜島錦江湾ジオパークでは、学習要素と楽しめる要素を兼ね備えた修学旅行向けプログラムを用意し、充実した体験プログラムになるように工夫している。ぜひ桜島へ訪れて、楽しみながら学んで欲しい。