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[MAG38-07] 福島第一原子力発電所事故から3年間の森林環境中における放射性セシウム移行と空間線量率変化
キーワード:福島第一原子力発電所, 放射性セシウム, 森林環境, 移行, 空間線量率
本研究では、福島第一原子力発電所事故から3年間(平成23年7月~)の森林環境中の放射性セシウムの移行状況調査を実施した。スギ人工林からなる2林分(壮齢林・若齢林)と広葉樹混交林(コナラ及びアカマツ)において樹冠通過雨、樹幹流、リターフォールに含まれる放射性セシウム濃度を測定し、森林樹冠から林床への移行量をモニタリングした。また、サーベイメータ(TCS-172B、日立アロカメディカル)及び可搬型ポータブルゲルマニウム半導体検出器(Detective-DX-100T、Ortec, Ametek, Inc.)を用いて森林内の空間線量率(地上1 m高)を測定した。調査地において、空間線量率の測定期間に環境省の森林除染が実施されたため、その影響も含めて評価した。
3年間の観測期間中に森林樹冠から林床に移行したセシウム137は、スギ壮齢林、スギ若齢林、広葉樹混交林でそれぞれ157 kBq/m2、167 kBq/m2、54 kBq/m2であった。これらの移行量は、原発事故後に大気から沈着した総量の36%、39%、12%にあたる。森林内の空間線量率は、いずれの森林でもほぼ物理減衰と同等の速度で低減する傾向を示したが、詳細に解析を行うと森林ごとに低下傾向がわずかに異なることが明らかになった。この低下傾向の違いを明らかにするために、林床へのセシウム137移行速度と林床1 m高の空間線量率の変化傾向の関係解析を実施した。また、森林除染が林内空間線量率とその後の変化傾向に及ぼす影響について解析を行った。
3年間の観測期間中に森林樹冠から林床に移行したセシウム137は、スギ壮齢林、スギ若齢林、広葉樹混交林でそれぞれ157 kBq/m2、167 kBq/m2、54 kBq/m2であった。これらの移行量は、原発事故後に大気から沈着した総量の36%、39%、12%にあたる。森林内の空間線量率は、いずれの森林でもほぼ物理減衰と同等の速度で低減する傾向を示したが、詳細に解析を行うと森林ごとに低下傾向がわずかに異なることが明らかになった。この低下傾向の違いを明らかにするために、林床へのセシウム137移行速度と林床1 m高の空間線量率の変化傾向の関係解析を実施した。また、森林除染が林内空間線量率とその後の変化傾向に及ぼす影響について解析を行った。