日本地球惑星科学連合2015年大会

講演情報

口頭発表

セッション記号 A (大気水圏科学) » A-AS 大気科学・気象学・大気環境

[A-AS21] 大気化学

2015年5月28日(木) 09:00 〜 10:45 201B (2F)

コンビーナ:*澤 庸介(気象研究所海洋・地球化学研究部)、竹川 暢之(首都大学東京 大学院理工学研究科)、金谷 有剛(独立行政法人海洋研究開発機構地球環境変動領域)、高橋 けんし(京都大学生存圏研究所)、谷本 浩志(国立環境研究所)、座長:須藤 健悟(名古屋大学大学院環境学研究科地球環境科学専攻)

09:00 〜 09:15

[AAS21-06] 海洋へ供給される水溶性鉄の燃焼起源エアロゾル大気化学過程

*伊藤 彰記1 (1.海洋研究開発機構)

キーワード:地球環境変化, 大気由来の鉄沈着, 水溶性鉄, 植生燃焼

エアロゾルにより供給される水溶性鉄は海洋の植物プランクトンの成長にとって必要な栄養素となる。そのため、エアロゾル粒子中の水溶性鉄濃度の見積もりに関わる不確かさは数値モデルによる大気中二酸化炭素濃度予測に多大な不確実性を与える。従来、生物・地球化学過程として海洋の鉄循環を含む数値モデルでは、土壌起源のエアロゾル粒子中に一定の割合で水溶性鉄が存在すると仮定されている。近年では、水溶性鉄の供給源として燃焼起源エアロゾル粒子に関心が集まりつつある。本研究の全球エアロゾル化学輸送モデルでは、燃焼起源エアロゾル中の比較的不溶な鉄が無機および有機の酸性物質と化学反応し、溶出する過程を動的に表現している。数値予測実験結果から、南半球では燃焼起源エアロゾルが水溶性鉄の供給源として重要になることを示唆した。燃焼起源エアロゾル中の鉄溶出速度を半分にした感度実験結果から、発生源付近で形成される第一次水溶性鉄濃度の不確実性に比べて、大気化学過程で生成する第二次水溶性鉄濃度の不確実性が小さいことが示された。水溶性鉄濃度の見積もりに関わる不確かさを減らすためには、発生源付近と海洋上での水溶性鉄濃度をより正確に算出する必要がある。