[H-DS25] 湿潤変動帯の地質災害とその前兆

[HDS25-P12] InSARによる赤石山脈南部井川地区の地すべり変動の抽出

*西口 尚希¹、今泉 文寿² (1.静岡大学大学院総合科学技術研究科農学専攻、2.静岡大学農学部環境森林科学科)

キーワード：地すべり, 干渉SAR

防災の観点において、地表変動の発生箇所を把握しておくことは重要である。干渉SARは一度に広域の地表変動をcmオーダーで観測することができ、活動状態にある地すべりの検出に有効である。本研究ではALOS-PALSARが取得したデータを用いて地すべり変動を抽出し、その有効性を検証することを目的とした。
静岡市北部の井川地区は大井川の上流部に位置し、中央構造線及び糸魚川-静岡構造線に挟まれた地域であるため地質が脆弱である。また比高の大きい急傾斜地が分布し、降水量（約3100mm/年）が多いことから、これまでに多くの地すべりが発生している。
本研究では井川地区を対象にInSAR解析を行い、解析結果を地すべり地形分布図と比較することにより、活動状態の可能性がある地すべり変動の抽出を行った。解析の結果、地すべりによる変動と思われる箇所を複数箇所抽出した。これらの箇所について現地調査を行った結果、道路擁壁の亀裂などを確認した。また、北行および南行の両軌道で変動を観測できた箇所に関しては2.5次元解析を行った。