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[BCG28-P15] カナダオンタリオ州、ガンフリント層中(19億年前)の海洋堆積岩における鉱物学的地球化学的研究
ガンフリント層は、およそ19-18億年前の原生代海底堆積物から構成される。このガンフリント層堆積期間には縞状鉄鉱層の消滅、サドベリー隕石衝突など様々な地質学的イベントが起こった。しかし、こうした地質学的イベントの生態系への影響は十分に評価されてこなかった。そこで本研究では、ガンフリント層最前期、隕石衝突時、最後期の堆積物化学組成やケロジェン組成に着目し地球化学的研究を行った。まず、最前期堆積物は鉄に富む傾向があり、その後の堆積物と鉄の挙動が大きく異なる。縞状鉄鉱層消滅までは、浅海の堆積物にも鉄が供給されるシステムがあったが、それが突如なくなったことを示す。ガンフリント層全体を通して、ケロジェンの組成も大きくは異ならず、前期原生代の平均的な組成と一致していた。バルクレベルの有機物炭素同位体組成も大きく変動はしない。これらは、地質学的イベントにも関わらず、一次生産者(酸素発生型光合成生物)は一定であったことを示している。その一方で、サドベリー隕石衝突時の堆積物中ケロジェンのみが、過剰の窒素を含む傾向にある。隕石衝突直後に窒素サイクルが変わった可能性はあるが、影響は一次的であったと思われる。