日本地球惑星科学連合2015年大会

講演情報

口頭発表

セッション記号 S (固体地球科学) » S-SS 地震学

[S-SS25] 強震動・地震災害

2015年5月25日(月) 16:15 〜 18:00 A04 (アパホテル&リゾート 東京ベイ幕張)

コンビーナ:*元木 健太郎(小堀鐸二研究所)、座長:津野 靖士(東京工業大学大学院総合理工学研究科)、元木 健太郎(小堀鐸二研究所)

17:42 〜 17:45

[SSS25-P14] 1943年鳥取地震の学校被害地点における常時微動による地盤構造推定と地震動評価

ポスター講演3分口頭発表枠

*吉田 昌平1貝崎 達憲1野口 竜也1香川 敬生1 (1.鳥取大学)

キーワード:微動観測, 鳥取地震, S波速度構造, H/V

1943年9月10日,鳥取市東部を震源に鳥取地震が発生し,鳥取市街地を中心に甚大な被害を出した.地震発生から70年が経過したが,被害状況を記す資料はほとんど残っておらず当時の被害状況は十分に把握できていない.しかし,学校建物被害に関する資料や鳥取市街地の被害写真など,わずかに残った資料から被害が明確にされている場所も存在する.本研究では,残存資料から把握された建物被害地点を対象に微動3成分単点観測と微動アレイ観測を実施し,詳細な地下構造の推定と推定モデルを用いた地震動評価により被害の原因について検討した.3成分単点観測記録を用いた水平動と上下動のスペクトル比(H/V)により対象地点の卓越周期を推定したところ,地盤の卓越周期と建物の固有周期が一致する地点は少なく,H/Vだけでは十分に説明できなかった. 微動アレイ観測記録を用いたフォワード解析によりS波速度700m/sまでの地下構造モデルを得ることができ,鳥取市街地ではS波速度100~200m/s程度の層が30m程度堆積していることがわかった. 地震動評価では統計的グリーン関数法を用いて工学基盤波形を推定し,等価線形応答解析により地表面地震動の推定を行った.周期1.0秒程度の応答値が大きい地点で被害が大きい傾向があることがわかった.