18:15 〜 19:30
[MIS25-P07] 紀伊半島東岸の芦浜池と座佐池における堆積物からみた津波履歴
キーワード:南海トラフ地震, 津波堆積物
南海トラフ地震の履歴を明らかにするために、紀伊半島東岸の三重県大紀町芦浜池および三重県南伊勢町座佐池にて津波堆積物の調査を行った。2013年と2014年の2年間で芦浜池から8本、座佐池から13本の試料を採取し、約80試料の放射性炭素年代測定を行い、過去数千年間の池の堆積環境の変遷を解明するとともに、イベント堆積物を認定した。
芦浜池ではおよそ4500年前から現在までの堆積物が残されており、約2500年前以降でイベントの認定が可能である。このなかで顕著な砂層を持つものとして約2000-2300 yBPと約1000-1100 yBPの2回、不明瞭なものとして3回、計5回のイベントを確認した。一方、座佐池ではおよそ7500年前までの堆積物が残されており、これは南海トラフ沿岸の湖沼では最長の記録となるものの、最近400年程度については浜堤の人工改変の影響で評価が難しい。座佐池では約7000 yBP、約6500 yBP、約3500 yBP、約2000-2300 yBP、約1300 yBP、約1100 yBPの6回の明瞭な砂層もしくは礫層を持つイベントと、他に数回の不明瞭なイベントを確認した。最下層のイベントは、アカホヤ火山灰層の直下で0-20㎝程度の植物片層とその下の40㎝以上の層厚を持つ砂礫層からなり、鬼界カルデラの崩壊による津波の堆積物である可能性が高い。
芦浜池の約2000-2300 yBPおよび約1000-1100 yBPの2回のイベントは、直線距離で約2km離れた座佐池のイベントに対比することが可能であり、これらのイベントがこの地域において顕著なイベントであったことを示している。
芦浜池ではおよそ4500年前から現在までの堆積物が残されており、約2500年前以降でイベントの認定が可能である。このなかで顕著な砂層を持つものとして約2000-2300 yBPと約1000-1100 yBPの2回、不明瞭なものとして3回、計5回のイベントを確認した。一方、座佐池ではおよそ7500年前までの堆積物が残されており、これは南海トラフ沿岸の湖沼では最長の記録となるものの、最近400年程度については浜堤の人工改変の影響で評価が難しい。座佐池では約7000 yBP、約6500 yBP、約3500 yBP、約2000-2300 yBP、約1300 yBP、約1100 yBPの6回の明瞭な砂層もしくは礫層を持つイベントと、他に数回の不明瞭なイベントを確認した。最下層のイベントは、アカホヤ火山灰層の直下で0-20㎝程度の植物片層とその下の40㎝以上の層厚を持つ砂礫層からなり、鬼界カルデラの崩壊による津波の堆積物である可能性が高い。
芦浜池の約2000-2300 yBPおよび約1000-1100 yBPの2回のイベントは、直線距離で約2km離れた座佐池のイベントに対比することが可能であり、これらのイベントがこの地域において顕著なイベントであったことを示している。