日本地球惑星科学連合2015年大会

講演情報

口頭発表

セッション記号 S (固体地球科学) » S-MP 岩石学・鉱物学

[S-MP42] 鉱物の物理化学

2015年5月26日(火) 16:15 〜 18:00 102A (1F)

コンビーナ:*興野 純(筑波大学大学院生命環境科学研究科地球進化科学専攻)、大藤 弘明(愛媛大学地球深部ダイナミクス研究センター)、座長:大藤 弘明(愛媛大学地球深部ダイナミクス研究センター)

16:45 〜 17:00

[SMP42-10] 分子動力学シミュレーションによる白雲母|NaCl水溶液界面での油滴の濡れ性の検討

*小林 和弥1Yunfeng Liang1松岡 俊文1西 直哉1作花 哲夫1 (1.京都大学大学院工学研究科)

キーワード:白雲母, 鉱物|地下流体界面, 濡れ性, 分子動力学法

鉱物|電解質水溶液|油三相界面の界面物理化学現象の解明は、地下流体資源の開発・有害廃棄物の地下処分等において重要である。電気二重層の形成などの鉱物|電解質水溶液界面での電解質の挙動は界面の性質を変化させる。また鉱物表面での油滴の濡れ性は、電解質の濃度に依存することが知られているが、電解質濃度の変化による濡れ性の変化の基礎原理は明らかになっていない。そこで本研究では、鉱物|電解質水溶液|油三相界面の微視的な界面構造と濡れ性の関係性を明らかにするため、分子動力学シミュレーションを適用し、接触角と界面構造の解析を行った。本研究では鉱物基板として白雲母、電解質水溶液として3.0mol/kg NaCl水溶液、油滴にはヘプタン・トルエンのそれぞれを用いた。本研究によって、負の表面電荷を持った白雲母に対するNa+の吸着による鉱物|電解質水溶液界面張力の減少と、油|NaCl水溶液界面での、NaClの負の吸着による油|水界面張力の増加が油滴への濡れ性を変化させることが明らかとなった。今回の結果は石油の増進回収技術の開発において重要な基礎情報となる。