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[MIS35-03] はやぶさ2近赤外分光計で探る地球の水の起源
キーワード:はやぶさ2, 小惑星, 水, 近赤外分光
小惑星探査機「はやぶさ2」に搭載した近赤外分光計(NIRS3)は,水酸基や水分子の赤外吸収が見られる3μm帯の反射スペクトルを測るリモートセンシング機器である.我々はNIRS3を使って,2018-19年の期間に近地球C型小惑星1999JU3の近接観測を行い,その表面の含水鉱物分布の特徴を明らかにすることを計画している.近年,地上観測からC型小惑星の内部に氷の存在を示唆する結果が報告されており,地球の海洋形成におけるC型小惑星の寄与が従来の想定よりも大きくなる可能性が出てきた.内部氷の存在を検証するには水質変成が起きたときの水の挙動を理解することが必要であり,NIRS3では衝突装置が作り出す人工クレーターの観測から加熱脱水や宇宙風化による二次的な変成の影響を識別し,母天体上で起きた水質変成の情報を抽出することを目指す.本発表ではC型小惑星の最新の描像をもとに,NIRS3で期待される成果について紹介する.