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[ACG31-09] 簡易湿地スキーム導入による大気海洋大循環モデルの改良
キーワード:大気海洋大循環モデル, 地表面エネルギー収支, 北極域
気候変動の将来予測において用いられている大気海洋大循環モデル(GCM)には、バイアスが存在するため、その低減が将来予測の信頼性向上にとって重要である。特に、中高緯度陸域の高温バイアスは多くのGCMに共通して見られる特徴である。北極域の積雪域では、融雪水が一時的に水たまりとして陸域に留まるため、大気と陸域の間で相互作用が起こり地表面熱水収支に影響を与えていると考えられるが、この効果はGCM陸面では考慮されていない。新田ら(2014)は融雪水が一時的に陸面に滞留することを表現した新スキームを大気海洋大循環モデルの陸面サブモデルに導入した。その結果、この新スキーム導入によって、陸域の高温バイアスが低減されることが示された。本研究では、この新スキームを大気海洋大循環モデルに導入し、GCMのバイアスに対する効果を調べた。また、新旧スキームを用いて大気二酸化炭素4倍増実験を行い、温暖化時の融雪水の効果を調べた。