14:30 〜 14:45
[SVC45-17] 原子核乾板を用いた宇宙線ミューオンラジオグラフィによる火山観測技術の開発
キーワード:火山, ミューオンラジオグラフィ, 原子核乾板
宇宙線ミューオンラジオグラフィとは、宇宙からの2次宇宙線であるミューオンの物質中での透過率から、透過した物質の内部密度を調べる技術である。
ミューオンは典型的には数GeVといったエネルギーをもって地表に到達する事が知られているが、密度1g/ccの物質中を1m透過したときのエネルギーロスがおよそ0.2GeVであることから、多くのミューオンは数mから数十m進んだところで物質中で止まってしまう。
しかし宇宙線には数TeVやそれ以上の高エネルギー成分が含まれており、火山体の透視には主にそれらが使われる。
密度2g/ccの岩盤を透過してくるミューオンのフラックスを計算すると、天頂角80°方向で、10^-6本/s cm^2 sr と少ない。このため火山内部の観測には大面積のミューオン検出器で長期間観測をし、ミューオンの統計をためる事が必要である。
比較的安価で電源を必要とせず、サイズもコンパクト(図)な原子核乾板検出器は、大面積化にとって有利であり、多地点での同時観測も可能である。
また原子核乾板は他のエレクトロニックな検出器にのようにリアルタイム性こそないが、乾板2枚を重ね、その相対位置をシフトさせる機構を与える事でミューオンの到達時間をIDし、火山体の内部構造の時間変化を追う事も可能である。
また長期観測に関しては、原子核乾板は写真フィルムと同じ原理でミューオンの飛跡を記録するため、冬場ならよいが、夏場に高温環境下に放置すると飛跡が消失したり、感度が低下するなどの問題が考えられた。
発表者らはこの問題に対処するため、長期安定性に優れた原子核乾板検出器の開発を行っており、本発表ではその詳しい内容について報告する。
ミューオンは典型的には数GeVといったエネルギーをもって地表に到達する事が知られているが、密度1g/ccの物質中を1m透過したときのエネルギーロスがおよそ0.2GeVであることから、多くのミューオンは数mから数十m進んだところで物質中で止まってしまう。
しかし宇宙線には数TeVやそれ以上の高エネルギー成分が含まれており、火山体の透視には主にそれらが使われる。
密度2g/ccの岩盤を透過してくるミューオンのフラックスを計算すると、天頂角80°方向で、10^-6本/s cm^2 sr と少ない。このため火山内部の観測には大面積のミューオン検出器で長期間観測をし、ミューオンの統計をためる事が必要である。
比較的安価で電源を必要とせず、サイズもコンパクト(図)な原子核乾板検出器は、大面積化にとって有利であり、多地点での同時観測も可能である。
また原子核乾板は他のエレクトロニックな検出器にのようにリアルタイム性こそないが、乾板2枚を重ね、その相対位置をシフトさせる機構を与える事でミューオンの到達時間をIDし、火山体の内部構造の時間変化を追う事も可能である。
また長期観測に関しては、原子核乾板は写真フィルムと同じ原理でミューオンの飛跡を記録するため、冬場ならよいが、夏場に高温環境下に放置すると飛跡が消失したり、感度が低下するなどの問題が考えられた。
発表者らはこの問題に対処するため、長期安定性に優れた原子核乾板検出器の開発を行っており、本発表ではその詳しい内容について報告する。