15:30 〜 15:45
[PCG32-02] LASCO/C3データを用いた金星アルベド年変化の検出
キーワード:金星, アルベド, 年変化, SOHO, LASCO, C3
LASCO C3の視野を通る外合時の金星の明るさをB, V, R, IRの四つのバンドで測定した。データは1996年から2011年の15年分が使用可能である。この研究の動機となったのは、あかつきが2011年3月に測定した小位相角での金星位相曲線(Satoh et al., 2015)が、それ以前の報告(Mallama et al., 2006)のものとだいぶ異なっていたことである。LASCOデータは、言うまでもなく、地球大気による散乱光を免れているから、太陽の近くに位置する天体の観測には有利である。C3の視野は30太陽半径であり、この範囲を通過する金星については位相角11度までの明るさを測定することが可能である。
金星は極めて明るい天体であるから、淡い太陽コロナを捉えるためのLASCOのノミナル積分時間(数百秒)では完全に露光オーバーとなり、結果として検出素子のサチュレーション、電荷転送方向への大きなブルーミングを生じている。われわれは、このようなデータから明るさを積分する方法を開発した。その正当性は、C3視野中を通る明るい星(IRバンドでアルデバランとアンタレス)により精度を評価し、測光は±10パーセント程度に安定していることが確認できた。両星が赤色巨星で脈動変光を示すことも考慮すれば十分に高い精度といえる。
金星データの解析の結果、2003年の外合と2005年の外合の間に何か変化があったらしいことが分かった。つまり1996から2003年データは系統的に、2005から2011年データに比べて20パーセントほど明るかったのである。興味深いことに、Mallama et al.(2006)の位相曲線には前者のグループのデータが含まれ、あかつきの観測は後者の時期に含まれている。講演ではデータ測定の詳細や、このような変化の原因の推測について議論を行う。
金星は極めて明るい天体であるから、淡い太陽コロナを捉えるためのLASCOのノミナル積分時間(数百秒)では完全に露光オーバーとなり、結果として検出素子のサチュレーション、電荷転送方向への大きなブルーミングを生じている。われわれは、このようなデータから明るさを積分する方法を開発した。その正当性は、C3視野中を通る明るい星(IRバンドでアルデバランとアンタレス)により精度を評価し、測光は±10パーセント程度に安定していることが確認できた。両星が赤色巨星で脈動変光を示すことも考慮すれば十分に高い精度といえる。
金星データの解析の結果、2003年の外合と2005年の外合の間に何か変化があったらしいことが分かった。つまり1996から2003年データは系統的に、2005から2011年データに比べて20パーセントほど明るかったのである。興味深いことに、Mallama et al.(2006)の位相曲線には前者のグループのデータが含まれ、あかつきの観測は後者の時期に含まれている。講演ではデータ測定の詳細や、このような変化の原因の推測について議論を行う。