18:15 〜 19:30
[HDS25-P13] 航空レーザ計測でとらえた広島大規模土砂災害~地形・地質と渓流の関係
キーワード:花崗岩, ホルンフェルス, 流紋岩, 渓床縦断勾配, 土石流
平成26年8月20日未明に発生した広島市における大規模土砂災害被災地において、航空レーザ計測を実施し、地形・地質と土石流を発生させた渓流の特性について考察した。
調査地のうち八木・緑井地区では、南西部が粗粒~細粒花崗岩分布域、北東側がホルンフェルス化した堆積岩分布域であり、詳細な地形モデルでは、地質分布に応じて谷密度、流域の比高分布などが明瞭に異なることが明らかになった。同様に、可部東地区でも、西部が中粒~細粒花崗岩分布域、東部が高田流紋岩分布域であり、地質分布に応じて谷密度、流域の比高分布などが明らかに異なっていた。さらに、既存の地質図幅(産総研)と実際の地質境界が異なっていることがわかっているが、地形の特徴からも推定できた。
それぞれの地質分布域での渓流の縦断面形状を比較すると、八木・緑井地区の花崗岩分布域では全体に緩やかな勾配の区間が連続し、流域界に近い最上流部のみ急勾配となっていた。一方ホルンフェルス分布域では全体に勾配が指数関数的に変化していた。谷出口付近から下流では、両者とも土石流の流下・堆積区間相当の勾配が長く連続することが分かった。
可部東地区では、花崗岩分布域ではやはり中下流部は緩やかな勾配の区間が連続するが、最上流部は非常に急勾配であった。一方流紋岩分布域では、ホルンフェルス分布域と同様の特徴を示した。谷出口付近から下流では、両者とも土石流の流下・堆積区間相当の勾配が長く連続するが、八木・緑井地区と比較するとやや緩い傾向があった。
各渓流で、谷出口附近から下流側の勾配が緩やかなのは、沖積錐が発達していることを反映している。なお、八木・緑井地区のうち北端部の太田川に直接面した渓流では、一定の急な縦断勾配を示すが、これは末端が太田川の浸食作用を受け、沖積錐を形成できない環境であったことと関係があるものと考えられる。
以上の渓流特性は、今回の災害においても、土砂の生産状況、運搬状況、堆積状況と大きく関連している。
調査地のうち八木・緑井地区では、南西部が粗粒~細粒花崗岩分布域、北東側がホルンフェルス化した堆積岩分布域であり、詳細な地形モデルでは、地質分布に応じて谷密度、流域の比高分布などが明瞭に異なることが明らかになった。同様に、可部東地区でも、西部が中粒~細粒花崗岩分布域、東部が高田流紋岩分布域であり、地質分布に応じて谷密度、流域の比高分布などが明らかに異なっていた。さらに、既存の地質図幅(産総研)と実際の地質境界が異なっていることがわかっているが、地形の特徴からも推定できた。
それぞれの地質分布域での渓流の縦断面形状を比較すると、八木・緑井地区の花崗岩分布域では全体に緩やかな勾配の区間が連続し、流域界に近い最上流部のみ急勾配となっていた。一方ホルンフェルス分布域では全体に勾配が指数関数的に変化していた。谷出口付近から下流では、両者とも土石流の流下・堆積区間相当の勾配が長く連続することが分かった。
可部東地区では、花崗岩分布域ではやはり中下流部は緩やかな勾配の区間が連続するが、最上流部は非常に急勾配であった。一方流紋岩分布域では、ホルンフェルス分布域と同様の特徴を示した。谷出口付近から下流では、両者とも土石流の流下・堆積区間相当の勾配が長く連続するが、八木・緑井地区と比較するとやや緩い傾向があった。
各渓流で、谷出口附近から下流側の勾配が緩やかなのは、沖積錐が発達していることを反映している。なお、八木・緑井地区のうち北端部の太田川に直接面した渓流では、一定の急な縦断勾配を示すが、これは末端が太田川の浸食作用を受け、沖積錐を形成できない環境であったことと関係があるものと考えられる。
以上の渓流特性は、今回の災害においても、土砂の生産状況、運搬状況、堆積状況と大きく関連している。