日本地球惑星科学連合2015年大会

講演情報

口頭発表

セッション記号 A (大気水圏科学) » A-AS 大気科学・気象学・大気環境

[A-AS22] ミクロスケール気象現象解明にむけた稠密観測・予報の新展開

2015年5月25日(月) 14:15 〜 16:00 301A (3F)

コンビーナ:*古本 淳一(京都大学生存圏研究所)、常松 展充(東京都環境科学研究所)、荒木 健太郎(気象庁気象研究所予報研究部)、座長:常松 展充(東京都環境科学研究所)

15:30 〜 16:00

[AAS22-06] 都市大気遠隔稠密観測用ライダーの開発

*阿保 真1菊田 達也1有賀 幸輝1Pham Le Hoai Phong1 (1.首都大学東京)

キーワード:緻密観測, ライダー, 気温分布, 水蒸気密度, 遠隔観測

気圧、気温、湿度(水蒸気密度)、風及び降水量はもっとも基本的な気象情報であり、これらの地表面付近の水平分布情報は気象観測網で、鉛直分布情報はラジオゾンデにより世界中で集められ、モデル計算との組み合わせにより天気予報等に利用されている。更に、広域の水平分布情報は衛星観測、風についてはドップラーレーダー(ウィンドプロファイラ)、降水については降雨レーダーによる立体的な観測も行われている。
一方、都市における大気汚染予測、ヒートアイランド現象の解明、局地的大雨予測などの研究には、サブ・キロメートルの分解能を持った気温、水蒸気及び風の3次元情報が有用である。風についてはドップラーライダーが実用化されているが、気温および水蒸気については実用的な観測機器が無いのが現状である。
我々は、都市域でも利用可能な小型で実用的な気温および水蒸気分布の遠隔観測をめざし、水蒸気を観測する手法としては差分吸収ライダー(DIAL)を、気温観測用にはファラデーフィルタを用いた高分解能スペクトルライダーの開発を行っている。どちらも昼間の観測、水平並びに鉛直分布の連続観測が可能で、スキャン観測を行えば3次元観測が可能なシステムを目指している。本講演ではその開発状況について紹介する。