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[PEM07-18] 活動領域におけるコロナループ足下の遷移層で観測されるサブ秒角構造の特徴
キーワード:太陽, コロナループ, 遷移層, IRIS
温度5,800Kの太陽光球上で起こるエネルギー解放が、外層の温度~10,000Kをもつ彩層と~1MKをもつコロナを形成する原因と考えられている。コロナの構造であるコロナループの足下は光球上の反極性を持つ磁場につながっており、多くのX線、極紫外線望遠鏡で観測されているように、1秒角以上の幅を持つことが分かっている。ひので衛星の極紫外線分光装置、EISで観測されたコロナループ足下のフィリングファクターとドップラー速度から、ループ内部にはさらに小さい幅のループが存在することを示唆している。空間解像度0.2秒角を持つロケット観測望遠鏡HiCの極紫外線撮像観測が、幅1秒角以上のコロナループの内部に示唆されているような微細構造があることを証明した。コロナ加熱を理解するためには、サブ秒角のコロナの構造を観測することが重要であるが、5分間のHiCによる観測以外に、要求される分解能のデータが無い。そこで我々は、サブ秒角の構造を詳しく調べるためにAtomospheric Imaging Assembly(AIA)とInterface Region Imaging Spectrograph(IRIS)のデータを解析した。AIAのデータは空間分解能が1.2秒角、時間分解能が12秒である一方で、IRISはコロナと彩層の中間を空間分解能0.3秒角、時間分解能10秒で観測している。光球表面でkGの磁場を持つ活動領域プラージュの基底部において、彩層からコロナまでに急激に温度が上がる非常に厚さの薄い領域である遷移層にコロナループの微細構造が繋がっていると考え、遷移層を撮像観測しているIRISのSi IVの輝線を用いた。結果として、間欠的に明るくなり、半値幅で0.5-1.0秒角程度の直径を持つ構造がコロナループ基底部に普遍的に存在することが分かった。Si IVラインの放射強度の変化が起こる位置は、コロナループ基底部の断面の範囲内で時間とともに動くことが明らかとなった。さらに、AIAで観測したコロナループ基底部の放射強度は、Si IVで観測されるサブ秒角の構造が出現した後、10-30秒後に増光することが分かった。発表では、1秒角より大きい幅を持つコロナループの内部でみられるサブ秒角の構造は何であるか、またその形成メカニズムについて考察したことを述べる。