日本地球惑星科学連合2015年大会

講演情報

口頭発表

セッション記号 P (宇宙惑星科学) » P-EM 太陽地球系科学・宇宙電磁気学・宇宙環境

[P-EM26] 宇宙プラズマ理論・シミュレーション

2015年5月24日(日) 09:00 〜 10:45 302 (3F)

コンビーナ:*梅田 隆行(名古屋大学 太陽地球環境研究所)、天野 孝伸(東京大学 地球惑星科学専攻)、成行 泰裕(富山大学人間発達科学部)、杉山 徹(独立行政法人海洋研究開発機構 地球情報基盤センター)、中村 匡(福井県立大学)、座長:天野 孝伸(東京大学 地球惑星科学専攻)、簑島 敬(海洋研究開発機構 数理科学・先端技術研究分野)

09:15 〜 09:30

[PEM26-02] GPUを用いた非対称磁気リコネクションの数値計算

*淵田 泰介1 (1.愛媛大学大学院理工学研究科)

キーワード:非対称磁気リコネクション, GPGPU, 並列計算

磁気リコネクションは地球磁気圏における重要な素過程の一つとして受け入れられている。 特に非対称な磁気リコネクションは対称なものよりも一般的であり、太陽表面におけるアネモネ型フレアや、地球前面で起こるFTEなどの解明に重要である。しかし、未だ未解決な問題の多い現象でもある。我々は、MHD 方程式を基礎方程式とした数値計算を行うことで非対称磁気リコネクションを理解することを目指している。
本研究ではGPUを用いた並列化(GPGPU)を行い、計算の高速化を図っている。現在はGPUデバイスを一つのみ稼働させて並列実行させているが、今後複数のGPUデバイスを用いた並列計算を行う予定である。この際問題になるのがCPU-GPU間の通信速度の遅さである。複数のGPUデバイスで並列化を行う場合、計算領域を分割し各領域にGPUを割り当てて計算を行うこととなる。GPUは自分の計算に必要な値をそれぞれのDevice Memory内に保持している必要がある。そのため各計算領域の接する部分でデータのやり取りを行う必要があるが、GPUデバイス間で直接通信を行うことは出来ないため、CPUを経由してデータの転送を行わなければならない。ここでCPU-GPU間の通信が発生し、この部分がボトルネックとなってGPU内での並列計算が高速に行われても全体として処理速度を向上することができなくなる。そこで、CPU-GPU間の通信をGPUの計算中に行い、低速な通信を隠蔽するようなメソッドを考え、コーディングした。
さらに、GPU並列化を行ったコードを用いて先行研究であるCassak&Shay(2007)との定性的、定量的な比較を行った。この論文では非対称なリコネクションが起こった際、リコネクションポイントが弱磁場側に移動することが示されており、本計算結果でもそれを確認した。