12:00 〜 12:15
[PEM27-15] 観測ロケットS-520-29号機搭載マグネシウムイオンイメージャによるスポラディックE層の水平構造の撮像観測
中緯度電離圏E領域に発生するスポラディックE(Es)層の空間構造を明らかにすることを目的として、Es層に存在するマグネシウムイオン(Mg+)からの真空紫外共鳴散乱光を観測ロケットS-520-29号機に搭載したマグネシウムイオンイメージャ(MII)によって観測した。
電子との再結合反応の遅い金属イオンが収束してEs層を形成するため、その主要な金属イオンの一つであるMg+の分布はEs層内の電子密度の空間構造を反映していると推測される。Es層の空間構造は沿磁力線不規則構造やE-F領域結合などの様々な電離圏現象と密接な関係があることが示唆されており、Mg+分布の撮像観測によってEs層の空間構造に新たな知見が得られることが期待される。
同様の目的で2008年2月6日に鹿児島県の内之浦宇宙空間観測所において観測ロケットS-310-38号機実験を行い、世界で初めてEs層内のMg+の2次元水平構造の観測に成功した。この成果はMg+の共鳴散乱光観測がEs層の空間構造の解明に有効であることを示したが、観測ロケットの姿勢、特に機軸の天頂角が予想外に大きかったために、有意な観測領域が極めて限定された。
そこで2014年8月17日に行われた観測ロケットS-520-29号機実験では、S-310-38号機に搭載したMIIを改良するともに、ガスジェット方式による姿勢制御装置を利用した観測を行った。姿勢制御は残念ながら当初の期待通りではなかったものの、Mg+の共鳴散乱光観測に成功し、Es層の空間構造に対する貴重な観測結果が得られた。
電子との再結合反応の遅い金属イオンが収束してEs層を形成するため、その主要な金属イオンの一つであるMg+の分布はEs層内の電子密度の空間構造を反映していると推測される。Es層の空間構造は沿磁力線不規則構造やE-F領域結合などの様々な電離圏現象と密接な関係があることが示唆されており、Mg+分布の撮像観測によってEs層の空間構造に新たな知見が得られることが期待される。
同様の目的で2008年2月6日に鹿児島県の内之浦宇宙空間観測所において観測ロケットS-310-38号機実験を行い、世界で初めてEs層内のMg+の2次元水平構造の観測に成功した。この成果はMg+の共鳴散乱光観測がEs層の空間構造の解明に有効であることを示したが、観測ロケットの姿勢、特に機軸の天頂角が予想外に大きかったために、有意な観測領域が極めて限定された。
そこで2014年8月17日に行われた観測ロケットS-520-29号機実験では、S-310-38号機に搭載したMIIを改良するともに、ガスジェット方式による姿勢制御装置を利用した観測を行った。姿勢制御は残念ながら当初の期待通りではなかったものの、Mg+の共鳴散乱光観測に成功し、Es層の空間構造に対する貴重な観測結果が得られた。